【2022年の初めての多頭飼育崩壊現場対応 〜その１〜 】空き状況の厳しい時にきたレスキュー依頼

初めての経験 

 

2022年11月、1本の保護依頼が入りました。

 

「母親がネコを飼育しているが事情ができて飼育できなくなった」

「賃貸住みで近々退去しなければならない」

「ネコの数が多く自分は引き取れない」

「生活保護受給者のため保護費は払えない」

「保護してもらえないなら近くの公園に捨てるしかない」

「助けてほしい」

 

「……」

 

「全部で16匹います」

 

 

 

 

 

遂にきたか……。

 

これは正直焦りました。

私たちは多頭飼育崩壊レスキューの経験がないうえ、シェルターの空き状況も厳しい。とにかく現状確認をしに現地へ向かいました。

 

 

 

 

 

物凄い糞尿の臭い。

一応トイレは置いてあるものの、押し入れの中、レンジの裏に至るまで糞の山。床は尿でジュクジュクしていて抜けそうなぐらいでした。

 

ろくにご飯も与えられていないのだろう。ネコたちは瘦せ細り健康状態も悪く、ノミだらけ。もちろんワクチン接種など一度も受けていないそう。ウイルス検査して全頭陽性ならどうしようと不安はいっぱいでしたが、このまま放置しては死んでしまうと判断し、レスキューを決意しました。

 

一度に全頭引き上げは不可能なので順番に数匹ずつ連れ帰るしかない。

 

まずは、いち早く助けないと命の危機が迫っているのが目に見えてわかる2匹を即時レスキュー。

 

 

 

推定4歳の三毛（メス）

骨が浮き出てしまうほどガリガリです。

 

 

推定4歳の三毛（メス）

この子も骨と皮の状態でした。

2匹を無事に保護して帰ろうとしたスタッフがあることに気づきます。

 

「あのスペースなんですか？」

 

 

なにこの異質な空間。

部屋の隅っこに突然ペットサークル？

壊れたケージを放置してるのか？

 

「なんかいます！」

 

16匹じゃなかったのか・・・

保護しに行ったら聞いてた数より多いことはあるあるです・・・

 

 

「犬です！！！！」

 

依頼主に話を聞いたところ、推定10歳のチワワらしい。

もうチワワともわからない風貌。

白内障になっており、皮膚病にかかっているようでずっと体を掻いている。毛も抜け落ちて丸坊主に近い状態。

 

もともと最初に飼われていたのはこの子だそうだ。

ネコが怖がって可哀想だからずっとケージに入れていたらしい。

 

ずっと。そうずっと。

 

なんと10年ぐらい入れっぱなしだったそう。

爪も切られていないので尋常じゃないほど伸び、硬化して簡単に切ることもできない状態でした。散歩に行ったこともないのでしょう。歩き方も忘れてしまったような姿をしていました。ご飯はキャットフード。

 

うちは保護ネコ施設。

犬は保護できないよ・・・犬は無理だよ・・・犬は・・・

 

 

この子だけ残せるわけない。

 

一緒にレスキューすることになりました。

 

 

 

というわけで初の多頭飼育崩壊レスキューは、ネコ16匹＋犬1匹という驚愕のスタートとなりました。

 

～残り15匹～

 

次の活動報告に続きます。