大泰寺の防災対策③

避難生活で大事になってくるのは入浴だと思います。自宅でない場所で、不安な気持ちで過ごすとき、ほっと一息つける入浴は、心にゆとりを生んでくれるはずです。

 

田舎のボイラーは灯油やガスを使っていることが多いので、燃料自体はあるのですが、着火の際などに電気を使いますので、停電の際は使えなくなる可能性があります。そこで、現在は製造していない灯油・薪兼用のボイラーをなんとか手に入れることができました。薪でお風呂を焚くときは、電気は一切いりません。水は井戸がありますので、なんとかお風呂を焚くことができそうです。

 

大泰寺のお風呂は独立した建物で、結構広いです。今、少しずつ計画を進めているのは、サウナです。実は、昔の禅寺における入浴はサウナ（蒸し風呂）だったのです。薪のかまどを土で作り、蒸気の取り入れ口を作るなどして、ここでサウナができるように考えております。

 

 

これは、妙心寺に残された明智風呂です。明智光秀の菩提を弔うために建てられたお風呂ですが、蒸し風呂であれば使う水は少なくて済みます。何ものも無駄にしない禅寺の智恵が、ここにも残されていると思います。

 

禅寺では、食器を洗うのに沢庵とお茶を使います。使った器にお茶を注ぎ、沢庵で器を洗います。そして、そのお茶を飲み、何も跡に残しません。こうした禅寺の智恵は、災害時にも役に立つものだと思います。

 

普段から、こうしたものに触れ、災害時にも平常心で臨みたいものです。