今後の作品修理について

永青文庫の「文化財修理プロジェクト第１弾」では、近代日本画３件の修理に着手してまいりました。これまで、横山大観・下村観山・竹内栖鳳「観音猿鶴」、菱田春草「黒き猫」（重要文化財）の修理が完成し、今年度からは松岡映丘「室君」（重要文化財）の修理を開始することができました。改めてご支援いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

目標に掲げておりました作品修理の目途がつきましたので、来年度は「室君」に加え、新たに下記史料の修理に着手したいと考えております。

令和７年度修理予定作品

重要文化財　松岡映丘「室君」大正5年（1916）　※令和6年度より継続事業

重要文化財　織田信長自筆書状〈十月二日／長岡与一郎宛〉

重要文化財　細川家文書（二百六十六通）のうち58通

「織田信長自筆書状」「細川家文書」は、経年によるシミや汚れが見られるため、裏打ち紙の除去などが必要な状態です。また、より安全に保管・活用できるよう収納箱を新調する必要があります。

いずれも、令和7年度文化財関係国庫補助事業計画に申請中です。採択された場合は、補助金と皆様からいただいたご支援をその修理費用に充てさせていただく予定です。修理が正式に決定致しましたら、改めてご報告申し上げます。