
支援総額
目標金額 1,000,000円
- 支援者
- 202人
- 募集終了日
- 2021年8月26日
リターン(返礼品)の紹介②
前回の続きで、今回は劇団石(トル)のTシャツとエコバッグのイラストデザインを担当している版画家の七夏(ななつ)さんを取材しました。
学生時代に美術系の大学に通いながら版画の勉強をしたという七夏さんは、エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch)の木版画やドイツのブリュッケ(Die Brücke)という美術集団に影響を受けたそうです。
ここ3~4年で木版画制作に出逢い直し、「いいもんを作るというよりも「こう生きる」を表現することを大事にしている」と語る七夏さんに、まずはここに至るまでのお話を伺いました。

きむきがんとの出会い
七夏さんの住む滋賀には日本一大きな琵琶湖があります。1970年代、琵琶湖に赤潮が大発生したことがあったそうです。そこから、合成洗剤をやめて琵琶湖をきれいにする”せっけん運動”が始まり、その40年の歴史が引き継がれたのが、市民の力で持続する環境事業「碧いびわ湖」です。
その「碧い琵琶湖」の取り組みの中のひとつ、手作り市民メディアとして、七夏さんは仲間とともに「あまいろだより」というZine(Zine:個人やグループが自由な手法・テーマで手作りした冊子のこと)を「あまいろ探偵団」として活動しながら発行してきました。(この“探偵団”ということばのチョイスも響きも、私はたまらなく好きです。)
周りの人と共有したいことを「あまいろだより」で記事にしていく中で、「あまいろ探偵団」の活動にきがんちゃんが参加するようになりました。そしてまもなく、番外編活動として「あまいろ探偵団」が沖縄のやんばるを訪れてくれたおかげで、私も七夏さんやきがんちゃんと出会うことができたのでした。

沖縄でのことを書きたいけれど…この表紙で我慢
なんかいい言葉ないかな?
劇団石(トル)のTシャツとエコバッグのデザインに、話を戻します。
Tシャツを作ろうと思ったきがんちゃんにデザインを頼まれた七夏さんですが、デザインが決まるまでは割と時間がかかったと振り返ります。
七夏さんは、自分の絵で劇団石(トル)のイメージを出すのも一つだけど、もう一つ…せっかくならハングル入れたいと思い、きがんちゃんに「なんかいい言葉ないかな?」と尋ねます。返ってきた返事は、「ご飯食べたか?/밥 먹었나?(パン モゴンナ?)」でした。

なんで?と問い返す七夏さんに、きがんちゃんはこう説明したそうです。
朝鮮の人たち、特に在日の人たちは、しんどい暮らしをずっとしてたけど、仲間を大事に暮らしてて、ちょっと顔見たら「ご飯食べたか?」とあいさつをする。朝鮮半島でも暮らしが厳しい時があって、お互いを思いやる言葉があいさつになったのだ、と。
なるほど、意味を聞けば深いけど、「ご飯食べたか?」という言葉からは、今の現代においても気持ちが緩む語感がある。なんだかちょっと楽しいし、じんわりもする。そういえば、きがんちゃんの家に行ってもまず「まぁ、座りいや」「コーヒー飲みいや」から始まるし、「これは劇団石(トル)の感じが出ているな」と、閃めくものがあったそうです。

そばに誰かがいるんだよ
また、デザインするにあたっては、きがんちゃんの一人芝居『キャラメル』の印象も大きくて、朝鮮の古い時代というよりも、今のきがんちゃんがその人たち(従軍慰安婦にされ、きびしい人生を歩んでこられた女性たち)のことを伝えていくことが大事だと思った、と言います。
“人と人がお互い寄り添いあっているような姿をあらわしたい。”
“1人が悲しくて1人がそれを見守っているというよりは、あれは2人で1人なのかもしれない。”
“時代の違う人と人が、その瞬間一緒にいることもあるよね。”
“彼女たち(きむきがん演じるスッキハルモニやオクスンハルモニやリョンミたち)の芝居はそういう感じがした。”

よく見るとマッコリやチョウチョが!
(チョウチョは従軍慰安婦を表しているそう)
時空を超えた出会いを描いた『キャラメル』もまた、七夏さんにインスピレーションを与えます。「ご飯食べたか?」というフレーズと『キャラメル』の印象が七夏さんの中で混じり合って生まれたのが、このデザインということのようです。

朝鮮半島ではスッカラ(スプーン)は実際に縦に置いて並べるから
首筋のラインに沿ったデザインに
手作業だからこその味わい深さ
デザインが決まり、製作段階に入った七夏さんたち”劇団石(トル)とゆかいな仲間たち” は、『上手に作るというより、想いを込めて味わいを大事にすることを最優先したい』と考えます。だから、印刷屋さんにお願いすることはせず、手間はかかるけど「ええで」「やろやろ」と、手摺りのシルクスクリーンプリントで作ることになったそうです。

慎重に位置を確認しながら手作業で摺っていくのは大変です。失敗したらTシャツ一枚をダメにしてしまうので、否が応でも集中力も必要となります。そのうえ、胸と首と胸の下のロゴの合計3ヵ所に版を押すので、1ヶ所ごとにドライヤーを使って乾かしながらの作業になります。だから劇団石(トル)のTシャツは、どんなにがんばっても一日でせいぜい20枚ぐらいしかできないのだそうです。それでも、「摺る度に一枚一枚ちょっとずつ違う味わいなのがいい」と、七夏さんは言います。

ドライヤーでインクを乾かすのもひと仕事
応援団長きむきがん
「自分が(版画を)上手にできるのを待っていたら時間がなくなるから、カッコつけずにどんどんやりたい」
「自分の中にあるものを、うまくシンプルに素直に出せるようになりたい」
そういう思いがむくむくと湧き起こり、木版画製作を再開した七夏さんは、昨年夏に京都で復活個展を開きます。




わたしを旅する 七夏 木版画作品展
会期中はきがんちゃんが会場にスタンバイし、物販に入ってくれたり、受付で検温や芳名帳を受け持ってくれたりして、七夏さんの個展を毎日支えてくれたそうです。
劇団石(トル)のTシャツやエコバッグを作る日もそう。きがんちゃんの家を使って製作が行われるのですが、摺るのは七夏さんで、きがんちゃんは応援担当。

小さい応援団も手伝ってくれます
きがんちゃんが毎回、丁寧に手作りされたこだわりの韓国料理のごちそうを振る舞ってくれるのだそうです。リターン(返礼品)になっているTシャツとエコバッグは、七夏さんときむきがんの友情コラボレート作品と言えるでしょう。


美味しそうなキンパ(海苔巻き)!
七夏さんの夢
そんな七夏さんがこれからやってみたいことは、天然素材のインクや泥絵の具、藍やベンガラなど。まるで「碧い琵琶湖」の活動の延長線上にあるような、環境に優しい製作活動だそうです。
「木、紙、絵の具に自分を預けて、自分の力を出してもらうように作品をつくりだしていきたい」と語る七夏さんから生み出される作品と、今後の活躍がますます楽しみです。
環境に配慮した劇団石(トル)のTシャツがオーガニックコットン素材であることは前回紹介しましたが、エコバッグも同じくオーガニックコットン素材になっています。

ご支援してくださる方は、ぜひ”劇団石(トル)とゆかいな仲間たち”お手製の、Tシャツやエコバッグをリターン(返礼品)に選んで、手から手へと伝わる味わいを楽しんでくださいね。

版画家 七夏/nanatsu
FB:https://www.facebook.com/nanatsunanairo
Instagram:@nanatsu_nanatsu
https://instagram.com/nanatsu_nanatsu?utm_medium=copy_link
深水登志子が書きました
* 七夏さんからのメッセージ *
福岡朝鮮初級学校の子どもさんたちに劇団石(トル)の生のお芝居を見せたい!このすばらしい企画が無事、成功しますように。
愛を持って大切なことを子どもたちに伝えるために知恵をしぼり努力を惜しまない方々がスタートさせたこのクラウドファンディング。返礼品のTシャツとエコバッグ、ひとつひとつ心をこめて作りたいと思います。
版画家 七夏/nanatsu
リターン
3,000円

応援3,000円コース
感謝のメールをお送りします。
- 申込数
- 72
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
3,000円

手作り栞3,000円コース(数量限定)
朝鮮学校の子ども達が心を込めて作った栞をお送りします。
- 申込数
- 25
- 在庫数
- 25
- 発送完了予定月
- 2021年9月
3,000円

応援3,000円コース
感謝のメールをお送りします。
- 申込数
- 72
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年9月
3,000円

手作り栞3,000円コース(数量限定)
朝鮮学校の子ども達が心を込めて作った栞をお送りします。
- 申込数
- 25
- 在庫数
- 25
- 発送完了予定月
- 2021年9月
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- 85人
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- 7/29

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- 73人
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