大好きな「アイビー」を描くことがこころの支えに（トミ君）

 

 

シャイン・オン！キッズ広報の金です。

今回お話を伺ったのは、リターン品のトートバッグを提供してくださった小学6年生のトミ君。アイビーとの出会いから、絵を描くようになったいきさつ、闘病をつづける中でファシリティドッグへ寄せる想いをお話しいただきました。

 

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初めて会った時は、「病院に犬がいる!?」と驚いたけれど、アイビーは入院中の困った時に僕を応援してくれました。院内学級へ行かなきゃと思いながらも気分が向かない時に一緒に登校してくれたり、検査前の麻酔が効くまでの緊張している時に添い寝してくれたり。時には、なでているうちにアイビーが寝てしまうこともあって、いつも僕たちのために頑張っているアイビーがリラックスしている姿を見て、ほんわかした気持ちになれました。でも、アイビーに会いたい子はたくさんいるので、毎日は会えません。だから、今度アイビーが来た時に見てもらおう、とアイビーの絵を描くことにしました。

 

描き始めた最初の頃は、思うように描けないことにイライラして、お母さんがほめてくれても、怒ってばかりいました。でも、描いた絵をベッドまわりに貼っていると、看護師さんやお医者さん、大橋さんたちが「上手だね！」と、ほめてくれたんです。皆が絵を見て喜んでくれたので、絵を描くことがだんだん好きになっていきました。

 

 

絵を描いて、たくさんの人と一緒にファシリティドッグの応援をしたい

 

アイビーの絵をたくさん描いて、病室に飾って、アイビーが来た時に見てもらえることが楽しみになりました。入院したことで出来ないこともたくさんあるけれど、アイビーの絵を描いて、アイビーやファシリティドッグの皆を応援することができる、と思えるようになりました。

 

 

 

お母さんがファシリティドッグのことを調べてくれて、僕にとってはアイビーがいるけれど、ファシリティドッグに応援してもらえる子どもは多くない、ということがわかりました。そして、シャイン・オン・キッズが「日本中の子ども病院にファシリティドッグがいるようにしたい」と頑張っていることも知りました。たくさんの人にファシリティドッグのことを知ってもらいたい、どの病院にもアイビーのような犬がいたらいいのに、と絵を描き続けていたら、いろんなことが起こりました。

 

僕たちが描いたアイビーの展覧会を開いてもらったり、展示販売会で僕と友だちのハル君が描いたアイビーのトートバッグをたくさんの人が買ってくれたり。そのおかげで、シャイン・オン・キッズへ売上を寄付することも出来ました。入院中の僕たちは外の人に会えなかったけれど、いろんな人が僕たちと一緒にファシリティドッグの応援をしてくれました。ファシリティドッグのおかげで、自分は一人ぼっちじゃない、皆と一緒に頑張っている、と思えるようになった気がします。

 

9ヵ月の入院治療を経て、将来的には骨髄移植が必要になるだろうけど、それまでは自宅で経過観察することになりました。そう決まった時は、アイビーに会えない中で頑張れるかな、また元気になれるかな、と不安な気持ちでした。家に帰ってからは、展示販売会で注文してくれた人のために、アイビーの絵を描き続けました。そして、待っていてくれた方たちにバッグを届けると、皆がとても喜んでくれたのがうれしかったです。

 

10歳の誕生日に、これから毎日、アイビーだけでなく、ベイリーやヨギ、アニー、タイ、マサ、ファシリティドッグたちの絵を描こう、と決めました。たくさんの人に知ってもらって、日本中の子ども病院でファシリティドッグが活躍できるように、皆で応援したい、という気持ちがどんどん強くなりました。

 

 

 

病気が進行して、今年１月に転院してハプロ移植*を受けましたが、その病院にはファシリティドッグがいませんでした。でも僕は、約200日の入院中、毎日、ファシリティドッグたちの絵を描いて壁に貼ったので、僕のベッドはファシリティドッグの皆に囲まれていました。つらい時ほど、ファシリティドッグの絵を描きたくなったのはなぜだろうと考えると、僕は頑張っているよ！すてきなファシリティドッグが僕のこころにいるから、頑張れるんだよ、と皆に伝えたかったんだと思うんです。退院する時に絵の展示をしてもらいましたが、1枚ごとに描いた日のことをを思い出して、振り返ることが出来ました。

 

病気を治すのには薬や治療も大切だけど、子どもが元気になるためには、楽しいことやほっとすること、まわりの皆と一緒に笑えることが大事だと思います。病院でものすごく頑張ったことが、ファシリティドッグがいたら、つらい思い出だけではなく、ファシリティドッグや皆と一緒に頑張った、楽しい思い出になります。

 

ファシリティドッグはひとりの子とずっと一緒にいられるわけじゃないけれど、一緒に頑張っている友達、皆のこころにいてくれます。今の僕のように、ファシリティドッグに会えなくても、皆と一緒にファシリティドッグを応援していることが、毎日の元気のもとになって、楽しいことを考えられるようになります。誰かを応援する優しい気持ちが、他の誰かの勇気になって、皆が楽しく笑い合えるようになるとうれしいです。

 

 

*HLA半合致同種造血幹細胞移植

HLA（白血球の血液型）が半分合致の血縁者からの造血幹細胞移植。HLA適合ドナーからの移植と比べてリスクが高く、国内で実施する病院も限られている

 

 

■ファシリティドッグ 写真展で、トミ君の絵を直接ご覧いただけます。

https://readyfor.jp/projects/facilitydog5/announcements/241074

 

 

 

 

 

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