【「応援合戦」と「応援」について】（前半）

多くの閲覧、またご支援いただきありがとうございます。

ここで、改めて応援合戦について私の経験と想いを綴らせていただきます。（一部プロジェクトのメインページと重複する部分もありますがご容赦ください。また長文になりますので、前半後半に分けてお届けします）

 

応援合戦との出会い。

初めて応援合戦に出会ったのは、高校1年の夏のことでした。

学ランに白手袋・ハチマキを衣装に、和太鼓（もしくはドラム缶）のリズムに合わせ、腰を低く四股を踏んだ状態で行う振りと、全力の掛け声、そして表情。最後の体育大会にかける3年生の先輩方の、鬼気迫るほどの応援合戦を目の当たりにし、雷に打たれたような衝撃と感動を受けたことを強く覚えています。大勢が一丸となって優勝を目指し一生懸命に全力で踊る姿は、「かっこいい」という言葉を超えて美しく、見るものの心を揺さぶる何かがあることを体感しました。そして私自身、応援合戦の魅力にとりつかれたように、高校の3年間、毎年夏に向けて応援合戦に向き合うこととなりました。

 

お客さんの度肝を抜いてみたい。

大学へ進学して1年目の夏、高校時代は毎年取り組んでいた応援合戦を、やる場所も見る場所がないことに気づき、名古屋で開催されているにっぽんど真ん中祭りであれば、土俵は違えど受け入れてくれるはず、と出場を目指してチームを立ち上げました。この時はただただ応援合戦がやりたい、知らない人に見てもらえたらどれだけ驚いてもらえるだろう、というごくシンプルな思いで活動をはじめました。とにかく初めてのことだらけで試行錯誤しながらの毎日でしたが、立ち上げから数えれば結局大学4年間もまた、応援合戦に捧げる日々となりました。

 

応援の持つ意味。

応援合戦というくらいですから、本来であれば自チームを鼓舞し士気を高め、そして相手チームの健闘を称え合うことが目的のように思いますが、高校時代の応援合戦はパフォーマンスのコンテストとしての色合いが強く、そこまで「応援」要素について考えることは正直ありませんでした。

 

しかし時は流れ、2011年。

東日本大震災を受け制作した「Yell」という作品を通じて、私たちの考えは大きく変わりました。

 

震災のあまりの被害の大きさから、踊ることが誰かの力になれるかなんてわからない、自分たちにできることはなんなのか、被災した人を目の前に何が伝えられるのか、どんな言葉で何を伝えたらいいのだろうか。這いつくばって歯を食いしばりながら頑張ってる人に対して、やすやすと「頑張れ」と言えるだろうか。誰かを応援するということは、ひょっとしたらとてもおこがましいことなのかもしれない。チームメンバー・関係者と制作の相談をするたびにこの作品を作る意義について何度も紛糾し、考えれば考えるほどに無力さを痛感しながらできあがったこの「Yell」という作品では、応援する気持ちそのものをコンセプトとし、どう届くかわからないが、見てくださる方に何か少しでも前向きな気持ちが伝わることを信じて踊り続けることだと位置付けました。

 

（後半へ続く）