長い目で人材の教育や研修を地道に行う大切さを実感！

1993年から岩手県花巻市で自然食品とエコロジーグッズ、フェアトレード商品を扱う「おいものせなか」を経営されている新田史実子（にった ふみこ）さんから、プロジェクトを応援するメッセージをいただきました！

 

 

今回のバングラデシュの女性たちの研修プロジェクトを応援しています。

緊急支援でなく、研修という少し地味な企画にピンと来ない方もいるかもしれません。そこで、私がなぜ女性の研修が大切だと思うようになったかを書きたいと思います。

フェアトレードの他団体の事例で恐縮ですが、「ネパリ・バザーロ」の活動を見てからです。(以下、敬称略ネパリ)

 

以前ネパリの事務所を訪ねると、よくネパールの生産者の女性が働いていました。毎年１回、多い年は春と秋２回ネパールから現場スタッフを招いて、１か月間事務所の一部屋を提供して研修を行っていました。平日は服飾専門家の縫製指導をびっちりと、土・日は取引先やセレクトショップなどのお店を見て回り、世界一基準が厳しいといわれる日本のマーケットを知ることなど、盛り沢山の研修です。そこで学んだことをネパールの工房に戻り、他のスタッフに教えて全体のレベルアップを図るのが目的でした。

 

その効果はすごく、たとえば縫製や織りの技術が高かった生産団体「コットンクラフト」が閉鎖する時に、スタッフの就職先が引く手あまたで、皆さんいい所に就職できたそうです。「コットンクラフトで働いていたなら、間違いない！」と。独立した人もいます。

また、「技術を身につけ、仕事を持つことが自立への道」と提唱するガンジーの思想の流れで、底辺の女性たちを受け入れる生産団体「マハグティ」は、日本の研修の成果でレベルアップし、ヨーロッパからの注文が増えて仕事が安定したといいます。

 

貧困や差別で苦しむ人びとをなくしていくためには、長い目で人材の教育や研修を地道に行っていく大切さを、ここで実感しました。

 

ネパリはネパールの支援が中心で、小規模の団体が主なので細かい対応ができます。ピープルツリーは取引先の国も多く、大規模の団体も多いので、ここまで細かくできないと思いますが、スタッフが現地に技術指導などで度々訪問しています。また、生産団体の代表やマネージャーを招聘してイベントやセミナーで情報を発信し、フェアトレードを広く推進してきました。

 

今回、グローバル・ヴィレッジ代表の胤森なお子さんの「なぜ今、研修プロジェクトなのか？」の率直で真摯なメッセージには心を動かされました。ぜひ、読んでみてください。両団体は約30年間世の中を変えたいと闘ってきた同志だと私は勝手に思い、厚い信頼を寄せています。

 

この研修プロジェクトは、フェアトレードに携わる女性が力をつけていくことでコロナ禍の困難にも負けず、差別と貧困のない社会に変革していけることを、心から期待しています。

ぜひ、このプロジェクトを実現するために！

皆様のご支援を、お願いいたします！

 

おいものせなか

新田史実子