濱田庄司とバーナード・リーチの茅葺き長屋門再生と創造|栃木県益子

支援総額

11,397,000

目標金額 4,000,000円

支援者
436人
募集終了日
2022年1月24日

    https://readyfor.jp/projects/hamadatsukuba1934?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note
2022年01月19日 18:30

安藤邦廣先生インタビュー #6 「今後の茅葺きの動き」

筑波大学大学院生による、

安藤邦廣先生(筑波大学名誉教授、里山建築研究所主宰、日本茅葺き文化協会代表理事)へのインタビュー連載の6回目をお届けします!

本日は「今後の茅葺きの動き」というテーマでお送りします。
今後の私たちと茅葺きの関わりのあり方とは・・・?

それでは第6回「今後の茅葺きの動き」です。
お楽しみください!


 

――茅葺きの建物が減っているからこそ、残された茅葺きを守っていくことが難しくなっているのだと思う。しかし、今回のクラウドファンディングでも茅の葺き替え体験に多くの応募があったように、茅の葺き替えに対する関心は高いと思う。
これからの茅の葺き替えのあり方についてお考えのことはありますか。


安藤先生 茅葺き屋根の職人の技っていうのは熟練が必要で、危険性もある。

慣れてないとできない仕事だよね。だから誰でも職人の手伝いができるって訳じゃない。
でもそれができない人は、屋根の下で茅を束ねたり、あるいは茅の大きさを揃えたりで上から出た古い茅を、もう一回畑に戻すような作業だとか、それからお昼ご飯やお茶を用意したりすることも含めて、やれる作業がものすごくある。


だから、そういう仕事は職人でなくてもみんなが手伝うことができる
その手助けがあると職人さんの手間は三分の一ぐらいになるのかな。それは大きいよね。

そして、茅を葺くことについて、体験させてもらえないかっていう要望はとても強いんですよ。我々、日本茅葺き文化協会でもワークショップよくやってるからね。
何とか実現したいんです。ところがなかなか簡単ではない。

 

今回の茅葺き屋根の修復工事、リターン提供でお力添えいただいた常陸風土記の丘さん提供 茅葺き職人による葺き替えの様子





 

 

 

 




 

 

いきなり来た人が体験して葺いた屋根の仕上がりはまあ良くないよね。そうすると、建てる人にとっては不利益でしょ。この屋根じゃ数年で雨漏りします、という状態になってしまうね。

いくらお金出してくれたからって屋根に上がってちょっと屋根の葺き替えを全部やらしてくださいっていうのは全然違うよね。
そんなに簡単なものではないよね。


だから、茅葺き屋根の葺き替え体験っていうのは本当に限定的になると思う。

だから、茅葺き経験のある職人さんが上で葺いている様子を見ながら、そのお手伝いで茅を上げたり、古い茅をおろしたりですといった手元でできる作業に参加してもらうことはできます、ということをきちんと説明しないと茅葺き体験に来た人とのギャップが起きるかもしれない。そこを十分に説明して、そういうことで良ければ是非来てくださいと。

 

それでも、屋根や茅を葺いてる作業を見るのはとても面白いと思う。
「こうやって屋根葺いてるんだ」と。
実際葺いてる途中をみて「そうやって縄で結んでるんだ。竹で抑えてるんだ」って。
「茅ってこんな風にこうきれいに並んでるんだ」って。

 

今回の茅葺き屋根の修復工事、リターン提供でお力添えいただいた常陸風土記の丘さん提供 茅葺き職人による葺き替えの様子


そういう風に休憩時間あるいは作業終了後に見て説明することはできるから
(職人の)休憩時間には、ちゃんとヘルメットかぶって足場の上にあがって、説明してもらうこともできる。

基本的には見学と解説しかできません、あとはできる範囲の下働きをお願いします、ということをちゃんと説明することで、茅葺きについての意義ある参加は可能です。


そして、何回も来た人だったら、ちょっと葺かしてもらったりそういうことはできるよね。
そうやって皆覚えていくんだから。
いきなり来て、全部やるっていうのは無理だ。

 

だから、一日参加っていう人は見学とね掃除とか手伝いということで
お願いできれば是非ということがいいのではないかと思いますね。
 

――20代の私たちにとって茅葺きは目新しいもので、モダンでかっこよく思います。残すだけでなく、新たに茅葺きの建物が立つような動きはないのでしょうか。

安藤先生 今はまだないね。今出てるのはインテリアとかさ、そのくらいのレベルで。
屋根全体を現代的に葺いたってのはまだないんだよ。
なぜなら、建築基準法上での問題が大きいからだ。
都市部では屋根は不燃材と決まってて、基準法上、葺くことはできない。
 

茨城県だったらつくば市は学園都市部は駄目だな。でも石岡市は茅葺きがたくさん残ってることと農村地帯で観光資源としても大事にしたいって市の方針があるから、八郷地区は茅葺きの建物を建てることができる。

 

昨年12月つくば市高エネ研にて撮影

 

あとはコストが高いのがネックだろうな。普通の屋根と比べたらやっぱり5倍以上するわな。今回のクラウドファンディングでも多額の費用がかかるでしょう。
だから建築基準法上に基準があるということが一つ、そしてコストが高いということ、
この二つがあったらほぼ99%実現できないってことが今茅葺きをやれない理由だよね。

 

じゃあ、それを突破するにはどうしたらいいか君たちに考えてもらいたい。
それはやっぱりね、環境保全するっていう切り口だね。

例えば、霞ケ浦のほとりだったらね茅葺きの建物を作ることに対して、いろんな恩恵を受ける人がいるじゃない。
恩恵があれば、法的規制緩和はできるし、国は助成金を出す、あるいは自治体が助成金出すってこともできるよね。
茅葺き一つ葺くと、どれだけ水辺が保全されるかを数量化すればいいんだよ。それは君らにやってもらいたい。


その効果っていうのは二酸化炭素とか水質を浄化する能力が計り知れない、ってことを可視化する、例えばその価値が300万円の価値がありますとしたら、300万円は霞ケ浦の周辺自治体が出しますってことはできる。
その数量化をして、その効果が明確であれば議会は通せるでしょ。
でも茅葺き屋根が可愛いからやりたいって言っても議会は通らないよな(笑)  難しさはあるけど可能性はあると思う。

 

霞ケ浦りんりんロードにて(2020年9月撮影)



茅葺きを100棟つくったら霞ケ浦はかなりきれいになる、浄化されるってこともシミュレーションすぐできるじゃん。
そういう研究室が筑波大にもあるんだよ。

建築基準法的にもちっちゃい建物なら大丈夫。10平米以下、なら基準法から除外される。お茶室を作る大きさなのよ。大体4畳半。床面積が10平米以下なら、防火地域じゃなければ適用除外。
東屋とか小さいシンボルとか幼稚園の子供の遊び場とか、老人のお茶場とか公園の休憩所とか霞ケ浦のバードウォッチングの基地とか、筑波山の登山口のトイレとか。そういうのでいいじゃない。

 

霞ケ浦もいま自転車ツーリングをやってるでしょ。だけど休む場所がないんだよ。
ちょっとお茶飲んだりさ、直売所でも置いてあったらさ
お金置いてスイカぐらい食べたいなと思うでしょ。
そういう建物を霞ケ浦湖畔に4kmごとに作って100㎞だったら25個できるじゃん。
25の茅葺きが霞ケ浦に建ったらさ、写真映えするじゃない
やる気になれば今からでもできる。

 

現状、霞ケ浦りんりんロード沿いの休憩所は数えるほどで多いとはいえない(2020年9月撮影)

 

地域振興になるからやりましょうって、その気になってやったら、市民や議会にちゃんと説得して、霞ケ浦の湖畔を茅葺きロードにしましょう、って。

もしできたら、茅葺きの休憩場をめぐるような自転車コースが霞ケ浦にできました、となって、すごくいいじゃない。

 

そしてその小屋に霞ケ浦の葦を使うんだよ。自転車に乗りたい人は葦刈り手伝ってくれたらスイカサービスします、と。自転車に乗る人にとっても自分が葺いた茅葺きだったら凄くうれしいじゃん。子供さんが来てこれ父ちゃん葺いたんだよっていったら結構広がるじゃない。

そういうのはちょっと考えたら。仕組み作りはちょっとやったらいいんじゃない。


法律上もそれから予算上もね、小さくするととたんにみんなが共有できるようになる。
そしたら実現できるんじゃないかな。 
そこから突破して、みんなが茅葺きの良さを知ったら、大きな構造建築をつくるのもそう遠くないじゃない。

 

一歩ずつステップバイステップだよ。

 

(次回以降につづく)
 

いかがだったでしょうか。
 

私たち筑波大生にとって身近な霞ケ浦の浄化にも茅が役立つ!というアイデアを安藤先生からいただき一同驚きました!
茅の可能性を改めて感じた次第です。
 

次回以降も読んでいただけると嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
 

共に茅葺き長屋門を残し、育てていきましょう!

引き続き本プロジェクトへのご支援・ご声援よろしくお願いいたします。
 

益子濱田窯 × 筑波大学大学院生 有志チーム

 

 

リターン

3,000


返礼品なし① 【You can support even if you don't live in Japan.】

返礼品なし① 【You can support even if you don't live in Japan.】

●サンクスレター・限定ムービー付き
●お名前を建物に掲示いたします

※海外在住の方でも支援できます
You can support even if you don't live in Japan.

申込数
79
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年2月

5,000


【益子で体験】濱田庄司記念益子参考館入館券 選べるドリンクとお菓子付

【益子で体験】濱田庄司記念益子参考館入館券 選べるドリンクとお菓子付

●濱田庄司記念益子参考館入館券(デジタル)をメールにてお送りいたします。

<濱田庄司記念益子参考館>
場所:栃木県芳賀郡益子町益子3388
営業時間:9時半から17時
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休館)
詳しくは濱田庄司記念益子参考館ホームページ(https://mashiko-sankokan.net/)をご確認ください。

※有効期限:2022年12月まで。
 ただし2022年2月1日~18日は休館となります。
※参考館入口にて「選べるドリンクとお菓子チケット」をお渡しします。

●サンクスレター・限定ムービー付き
●お名前を建物に掲示いたします
------------------------------------------------------------
You can't choose if you live outside of Japan.

申込数
43
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年2月

3,000


返礼品なし① 【You can support even if you don't live in Japan.】

返礼品なし① 【You can support even if you don't live in Japan.】

●サンクスレター・限定ムービー付き
●お名前を建物に掲示いたします

※海外在住の方でも支援できます
You can support even if you don't live in Japan.

申込数
79
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年2月

5,000


【益子で体験】濱田庄司記念益子参考館入館券 選べるドリンクとお菓子付

【益子で体験】濱田庄司記念益子参考館入館券 選べるドリンクとお菓子付

●濱田庄司記念益子参考館入館券(デジタル)をメールにてお送りいたします。

<濱田庄司記念益子参考館>
場所:栃木県芳賀郡益子町益子3388
営業時間:9時半から17時
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休館)
詳しくは濱田庄司記念益子参考館ホームページ(https://mashiko-sankokan.net/)をご確認ください。

※有効期限:2022年12月まで。
 ただし2022年2月1日~18日は休館となります。
※参考館入口にて「選べるドリンクとお菓子チケット」をお渡しします。

●サンクスレター・限定ムービー付き
●お名前を建物に掲示いたします
------------------------------------------------------------
You can't choose if you live outside of Japan.

申込数
43
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年2月
1 ~ 1/ 21


最近見たプロジェクト

もっと見る

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る