「若ものの英知にすがる」鎮魂のうた

いま、我が国は、幸いにも平和である。しかし、世界各地では戦争、動乱が絶えない。

 

もし、また戦争がおこり、そして、核兵器がつかわれることがあれば「生きのこったものが、死者をうらやむ」残虐無残な事態がおこるだろう。

 

新しい世紀に戦争がひきおこされないようにするには、私は、新世紀に生きる若ものたちの英知にすがるしかないと思っている。

 

日本の歴史を知ってほしい。特に近現代史。

 

なぜ、「一億一心」のかけ声で、国民はいっせいに、喜んで戦争に協力したのだろう。

 

ひとつの思想、信念しか受け入れず、どのようにマインドコントロールをされていったのだろう。

 

そして、狂鬼の集団となって戦争をおしすすめたのだろう。

 

歴史のなかに、きっと指標がある。

 

二十世紀をふり返って学ぼう。

 

政治に目を向けよう。ふたたび私のような悪夢の青春をおくらないためにも、若い力をみなぎらせよう。

 

「いのちこそ至上」の思いを高々とかかげよう。

 

二十世紀は間もなく終わる。

 

二十世紀に全世界で戦没した人は、一億一千万人。

 

こころから鎮魂のうたをささげたい。

 

戦争をひきおこさないこと。それは、新しい世紀を平和の世紀とできるか、二十一世紀に生きる人々の、大きな命題である。

 

私は生をおわるまで、「戦争は人類最大の愚行」と叫びつづけたい。

 

（二〇〇〇年一二月三一日）

 

「鎮魂のうた」100-101p

 

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平成14年（2002年）に花田ミキさんが自費出版した「～20世紀におくる～鎮魂のうた」という記録集があります。従軍看護婦として戦場に赴いたときの記録集です。

 

戦争終結から80年の今日、改めて花田ミキさんの言葉を送ります。