小川秀世　袴田事件弁護団事務局長から応援メッセージいただきました!

私たち袴田弁護団は昨年、やっと「無罪」を聞きました。法廷で涙ぐむひで子さんの姿は一生忘れられません。でも、巖さんの心は閉ざされたままで、事実を分かち合うこともできません。人が、当然の自由を得るのにこんな犠牲を強いられるとは、誰もが怒りをおぼえるはずです。

「無法地帯にビデオカメラを！」私の40年来の主張です。誰よりも法を守らねばならない警察官や検事が、取調室を、後に検証できないことに乗じて拷問や強要が横行する無法地帯にしてきたのです。

判決は、取調べの違法と自白調書などの捏造を断定しました。それでも冤罪は無くならず、取調べの録画が実行されている事件は3％にすぎないと言われています。そもそも「取り調べ受忍義務」自体が、許しがたい憲法違反です。今も無法地帯は存在し、悲劇を生んでいますが、それを直接見ることはできません。

しかし、生身の人間の渾身の演技は、その恐怖の一端を実感させます。演劇ならではの力です。

事件に深く関わった者からのお願いです。舞台を応援してください。（動画でも）ぜひ観て直視して下さい。みなさんが感じ、振る舞うことが司法を変える力になります。

小川秀世（袴田事件弁護団事務局長）