大阪母子医療センター 道上敏美先生からの応援メッセージ

クラウドファンディング開始４日目です。多くの方からご支援いただき、67％を達成することができました。ご支援いただいたみなさま、本当にありがとうございます。このプロジェクトを通じて、多くの方に低ホスファターゼ症のことを知っていただければと思っています。みなさんにも、このプロジェクトの情報発信をお手伝いいただければ幸いです。

今日は、子どもの骨の病気をご専門とされており、低ホスファターゼ症の診療ガイドライン作成を主導された、大阪母子医療センター 研究所 骨発育疾患研究部門 部長 道上敏美先生からのプロジェクト応援メッセージをご紹介いたします。

低ホスファターゼ症は、アルカリホスファターゼという酵素の働きが足りないために起こる難病で、骨や歯に症状が現れます。病気の重症度には幅があり、重症の場合は全身の骨がうまく作られないために呼吸が障害され、赤ちゃんのうちに亡くなってしまいます。一方、症状が歯のみに認められる患者さんもおられます。歯に関しては、乳歯が1〜4歳ごろまでに抜け落ちてしまう乳歯早期脱落という症状が特徴的です。小児義歯を必要とする方も少なくありません。乳歯の早期脱落は食事の摂取や言葉の発達にも影響し、患者さんの生活の質(QOL)を低下させます。最近、足りないアルカリホスファターゼ酵素を補う酵素補充薬が開発され、全身の骨の症状を改善することにより、これまでは早期に亡くなっていた重症の患者さんを救命することができるようになりました。しかしながら、この薬が歯の症状にも有効であるかどうかについてはまだ明らかになっておりません。今回立ち上げられた「低ホスファターゼ症による歯科領域の問題点に対する治療法の開発への挑戦プロジェクト」は、その成果がこの難病に苦しむ患者さんのQOL改善に直結する、意義の高い研究です。是非とも多くの皆様のご支援をいただきたく、お願い申し上げます。