Episode09【静脈街区の未来】

《静脈街区》は「街中再生」と「暮らしとアートの共存」という2点において新たな視点を提供し、ひとつのモデルケースとなるものであり、持続可能なプロジェクトとして実行するものです。本プロジェクトが一定の成功を収めた暁には、これを銀座通り商店街に限らず、全国のあらゆる「街区」において再現可能なものであることを提言していきたいと考えています。

Episode7で紹介したように、「暮らしとアートの共存」を実現するための「1%フォー・アート」という取り組みは、諸外国において法制化されるものであり、群馬県の条例についても行政が取り決めるものでした。すなわち、「暮らしとアートの共存」は従来、行政主導で行われるものだったのです。本プロジェクトの新規性はまさしくその点にあり、民間主導でも「暮らしとアートの共存」を実現できることを示そうという試みなのです。

理想は、本プロジェクトに共感してくれた人が、本庄の街を起点として全国に広がり、全国各地に《静脈街区》が芽生えていくことです。

また、学生主体のプロジェクトである以上、本プロジェクトに学術的な意味を付与することは重要であると考えています。単に、本庄市を一時的に盛り上げるようなものであってはなりません。全国各地に《静脈街区》を萌芽させるための第一歩として、明確な意味を見出し、次へと繋げていきたいと考えています。

開催実績を含め、本プロジェクトの全容を記録した文書および写真媒体は、書籍（図録）化することで開催後も恒久的に記録し、それを利用することで本プロジェクトの意義を持続的に伝えていきます。また、アートを巡る理論の域を出て実際に開催したプロジェクトとして、「グッドデザイン・ニューホープ賞」への応募も予定しています。

変わる景色がある限り、我々の挑戦は終わりません。

我々は《静脈街区》に明かりを灯し続けます。