Vol3 ノルドシュライフェ(北コース)とグランプリコース

　　僕らはこの過酷なサーキットをニュルブルクリンクとひとくくりにしていますが、24時間レースは実は二つのサーキットを結合して戦うのです。

　F1が開催されるグランブリコースは約5km。フォーミュラーが走るのですから、環境は整っています。もちろんFIAのグレードAを取得しています。路面はフラットに舗装され、コースオフエリアも広く安全です。

　一方のノルドシュライフェ(北コース)は一周20.8km。路面は荒れており、ジャンプスポットも点在します。コースオフエリアはほとんとありません。コースアウト即、全損クラッシュです。先の見えないブラインドコーナーばかりです。

自動車メーカーがテストコースとして活用しているのが実はここで、「ニュルブルクリンクの最速ラップ記録」と宣伝しているのは、このノルドシュライフェのコースのことなんです。グリーンヘル(緑の地獄)と呼ばれ怖れられているのがここですね。僕がアクセルフラットアウトに拘っているのもグリーンヘルです。

　ではどうやってふたつのコースを結合しているのか・・・・。

　実はグランプリコースの最終コーナーとノルドシュライフェの1コーナーは接しており、日頃はタイヤバリアなどで仕切ってそれぞれ独立して使用しています。24時間レースのときだけそのバリアを取り払って一周25.8kmとしているのですね。

　ところで、24時間レース中は、グランプリコースだけを周回することも可能です。

「・・・?」

　例えば鈴鹿でいえば、レース中に西コースだけを周回してもいいよ・・みたいな・・・。不思議ですよね。そのカラクリはまたいずれ・・・。