Vol.53　給油装置はガソリンスタンドと同式です。

　ニュルブルクリンクの給油は、近代的なレースのようなクイックチャージではありません。ガソリンスタンドにあるような給油タワーが、二つのピット一基備えられており、セルフサービスでガソリンを注ぐのです。なんとも牧歌的な雰囲気ですよね。F1では数秒で満タンになるのに、ニュルブルクリンクでは1分ほどかかります。

　　ただし、だからといってレースがのんびりしているわけではありません。ひとつのピットを7台がシェアします。二つのヒットで一基ですから、14台で使い合うことになります。ピットタイミングによっては奪い合いになります。

　これには理由があります。オートスポーツの巻頭で原稿にしましたが、ニュルブルクリンク24時間は、そのクルマがいかに早く遠くにたどり着けるかを競うレースでもあるのです。市販車の性能が試されます。アウトバーンを飛ばして途中で給油する。その時のロスタイムもツーリングカーでは重要になる。いかにもドイツ的な発想ですよね。

　給油ホースの争奪戦も実物なんです（笑）