弱視の子にも使いやすいかわいい・かっこいいノートを作りたい!
弱視の子にも使いやすいかわいい・かっこいいノートを作りたい!

支援総額

1,279,000

目標金額 1,150,000円

支援者
172人
募集終了日
2014年5月30日

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2014年05月05日 07:52

子供たちへ、20年後の僕らへ

今日はこどもの日。

 

こいのぼりを上げ、かぶとを飾って、かしわもちを食べ、しょうぶ湯につかる。

 

僕は子供の頃、東京都江戸川区で過ごしました。
近所には銭湯が多くあって、毎年こどもの日には銭湯のはしごをしていました。
この日、近所の銭湯はどこも子供は無料で、大きな湯船にはしょうぶが浮いていました。

 

お小遣いを持って、行く先々でコーヒー牛乳を飲んだりラムネを飲んだり。
扇風機にむかって「あ”―」って言ってみたり。のぼせて鼻血出したり。

 

そんなこどもの日に、改めてKIMINOTEに込めた思い、子供たちに伝えたいこと、そして20年後の僕たちに向けた思いを描いてみようと思います。

 

 

30年前:僕が子供だったころ

 

僕自身、ロービジョンです。

小学校は一般の学校に通っていました。3年生までは友達と一緒に地元の学校に通いましたが、4年生からは弱視学級があるからという理由で少し離れた学校へ通っていました。

子供の足だと片道30分。毎日母親が途中まで送り迎えしてくれました。

僕が子供のころは、ロービジョン向けのノートがあることすら知りませんでした。そのため市販されているノートを買ってきて罫線は無視して使っていました。裸眼では自分の字が見えないので、左手に持ったルーペで見ながら字を書いていました。

そうすると1行まっすぐ書けないんです。横書きのノートはどんどん下へ、縦書きのノートは左へ左へと曲がっていってしまう。でも僕自身は曲がっていることに気づいていない。
あとで両親や先生から指摘されて、とても悔しかったのを覚えています。

同級生たちは赤や青や緑のペンでラインを引いたり囲んだり、それぞれ工夫をしていました。僕のノートはいつも4Bの鉛筆で真っ黒。しかも曲がったり字が重なったりしていて、恥ずかしくて見せられなかった。

漢字は得意でしたが、ノートをとることの意味がわからなくなっておっくうになってしまった時期もありました。

 

 

選択肢を増やしたい

 

KIMINOTEは、ロービジョンの子供たちにノートの選択肢を提供するプロジェクトです。
東急ハンズやロフトに行けば、文房具だけを扱うフロアがあって、どのノートにしようか迷うくらいの選択肢があります。そして、「どれにしようかな」と迷っている時間がとても楽しいし、お気に入りが見つかったときのワクワクは大人になっても変わりません。

一方ロービジョンの子供たちが使えるノートはほんの1,2種類。自分で好きなノートを選ぶことはできません。両親や先生から「あなたはこのノートを使いなさい」といわれるままに、「かわいくないなー」と思っていてもそのノートを使うしかないのです。

 

この「選択肢の幅の差」をなんとかしたい。

 

上に書いたような、選んでいるときのわくわくや、お気に入りが見つかったときの「あっ! あった、これだっ!!」というドキドキを、見えづらさを抱える子供たちにも感じてほしいんです。

 

そしてもう一つ。「選ぶ」って、自分で考えて行動することですよね。

ロービジョンの子供たちには、自分で考えて行動する力を身につけてほしいと切に願っています。与えられたものをそのまま使うのではなく、自分は何が好きなのか、どうしたいのかを自分で考え、それを実現するために自ら動き出す。そして自分のために選ぶことができたら、今度は友だちや家族のために選ぶ。「あの子はなにが好きだろう」「これを選んだらパパは喜んでくれるかな」。大切な人のために考え、動く。
大げさなことではなく、誕生日のプレゼントを選ぶ、母の日の贈り物を選ぶなど、こういった経験を小さいころから積み重ねてほしいと思います。

 


表現する言葉を持ってほしい

 

ロービジョンは視覚障害の1つですが、全く見えないわけではありません。少し見える状態です。ところが、この「少し見える」というのはとてもわかりにくいんです。

どのくらい見えているのか、あるいは見えていないのかを、周囲の見える人が理解するのはとても難しい。おそらく、僕の両親でさえも、僕の見え方を正確には理解していないと思います。

さらに、ロービジョンの見え方は個人差がとても激しいです。ロービジョンの原因となった病気や視野(物の見える範囲のこと)の状況などによって見え方は違ってきます。視力検査で測った数値が同じAさんとBさんがいたとして、Aさんには見えるものがBさんには見えない、なんてことはよくあります。また、日中は同じように見えていたCさんとDさんも、夜になるとまったく見え方が違うなんてこともあります。

自分の見え方を一番よく理解しているのは自分自身だということです。

ロービジョンの子供たちは学校のクラスで、部活動で、友達や先生に自分の見え方、自分でできること・できないこと、サポートしてほしいこと、逆にしてほしくないこと、「ありがとう」や「うれしかったよ」の気持ちを、第三者にもわかるように伝えなければいけません。また大人になってからも職場の同僚や上司、恋人やそのご家族などに、自分の状況や思いを伝える場面はたくさんあります。
これがうまくできないと、本人も周囲の健常者も、お互いのかかわり方がわからず、友達を作ったり、適切なサポートを受けて生活することが難しくなってしまうんです。


僕自身、小学生のころは友達や先生に何をどこまでお願いしたらいいのか、あるいは自分がしてほしくないことをされたとき、相手にそれをどう伝えたらいいのかわかりませんでした。それが原因で休み時間に遊ぶ友達がいなくてぽつんとしていました。大学生になってからも友達作りには苦労しました。

KIMINOTEは、全国の盲学校や弱視学級へ無償で配布します。KIMINOTEを使って友達と交換日記をするもよし、オリジナルのSF小説を書くのも楽しいかもしれません。大好きなキノコの観察記録を取るのも面白いでしょう。こうした経験を通して、文章を書くこと、言葉で表現することの楽しさを知ってほしい。そして自分の状況や気持ちを伝える言葉を持ってほしいと願っています。

 

20年後の僕たちに向けて

 

今小学生の子供たちは20年後、立派な大人になっています。そのころ僕は57歳です。今より視力が下がっているかもしれないし、あるいはロービジョン以外にも病気や障害を抱えているかもしれません。

20年後、社会を作っているのは彼らです。彼らの中からものづくりや政策づくり・社会づくりに携わる人があらわれて、自らの言葉でロービジョンのニーズを伝え、障害者を含めた多くの人がコミットできる社会を作っていってほしいと思います。ロービジョン者向けのかわいい・かっこいいノートも当たり前に、どこでも安く手に入るようになっていてほしいです。

それによって20年後の僕も、そして皆さんも、便利に楽しく過ごせるのではないかと思うわけです。KIMINOTEプロジェクトは、20年後の僕たちに向けた取り組みでもあるということです。

今、見えづらさを抱えている子供たちにノートの選択肢を増やし、選ぶ楽しさと、自分の言葉で表現する大切さを伝えたい。そして20年後の僕たちが楽しく暮らせるようにするために、KIMINOTEを作りたいです。

KIMINOTEに、あなたの手を添えていただけたらうれしいです。


 

リターン

3,000


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お礼のお手紙
ご支援者名簿へのお名前の記載

申込数
103
在庫数
制限なし

10,000


alt

お礼のお手紙
ご支援者名簿へのお名前の記載
完成したKIMINOTE(男子向け、女子向け)各1冊

申込数
70
在庫数
制限なし

3,000


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お礼のお手紙
ご支援者名簿へのお名前の記載

申込数
103
在庫数
制限なし

10,000


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お礼のお手紙
ご支援者名簿へのお名前の記載
完成したKIMINOTE(男子向け、女子向け)各1冊

申込数
70
在庫数
制限なし
1 ~ 1/ 3

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