胃がんの発がん予測についての特許出願のご報告

今年度も折り返しの時期がすぐそこまで近づいてきています。

皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。

久しぶりに当プロジェクトのご報告をさせていただきます。

 

1. 新たに2名の研究補助員が加わりました。

前回の進捗報告の際にもお知らせさせていただいておりました研究補助員の募集に関しまして、2名の新たな研究補助員が5月から我々の研究をサポートくださっています。ありがたいことに、二人とも私の手の行き届かないところを上手に補助くださっており、今まで以上に研究が捗っていると実感している次第です。これからさらに発癌予測技術開発を加速化できるよう研究スタッフ、病院スタッフ、大学スタッフ、そして応援いただいている皆様の力をお借りして頑張ってまいります。

 

2. 血液診断キット開発が停滞しております。

皆様からご支援いただきました研究費を元に、KK-LC-1の血中診断キットのプロトタイプを作製しております。詳細を述べることができないのですが、KK-LC-1をキャッチするための抗体の組み合わせに改善が必要という結論に至りました。皆様の血液を用いて検査するには、もう少し時間がかかりそうです。皆様の期待に応えるためにも早急に完成させたかったのですが、中途半端なキットを作製することは皆様の今までのご厚意を無駄にすると考えております。現時点では期待に添えることができず、大変申し訳ありませんが、改善点を模索しながら血液診断キットを完成させていきます。もうしばらくお待ちください。

 

3. 胃がんの発症予測技術に関して特許を出願しました!

クラウドファンディングを実施するきっかけにもなりました胃がんにつきまして、胃がんを発症していない患者さんの胃について、KK-LC-1を調べることでその患者さんが将来高い確率で胃がんになることを証明することができました！

この研究は、2016年から始まり6年経った今現在も続いている途中経過の結果となります。6年という長い年月をコツコツと継続し続けたからこそ成し得た成果だと感じております。本研究は継続して続けていく予定ですが、この研究結果を新たな検査として皆様にいち早くお届けする準備もおこなっております。

こちらは血液のような全身の癌の検出はできません。将来胃がんになるかどうか、それだけがわかる技術です。しかしながら、例えば、血液診断でKK-LC-1が陽性であった場合、どこかに癌があるかもしれないが、どこかはわからないという欠点がございます。一方、今回の技術は、胃がんになるかどうかを検査する技術なので、この検査で陽性であった場合、胃がんの検査を密に実施することで早期発見が可能になります。

我々は血液検査と胃の検査は連動して実施する以下の計画を描いています。初めに血液検査でKK-LC-1を検査し、陽性であれば、精密検査として、胃の組織でKK-LC-1が出ているかを検査する。胃でKK-LC-1が陽性であれば、胃がん発症をより早期に発見するため、検査期間を短くする（タイトフォローアップ）。現在は、胃がんの発癌予測のみが証明されたわけですが、これからは、乳がん、子宮頸がん、肺がん、大腸がん、膵臓がんなど様々ながんの発症予測が、各臓器を調べることでできるように随時拡充してまいります。さらに、がん/前がん細胞を治療するための医薬品開発も視野に入れて行います。

これら全てを検証し、皆様にお届けするには膨大な時間と資金が必要となりますが、今できることを一歩一歩確実に検証して、確かなものを皆様に提供していきたいと考えています。

それでは今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。