治療の経過報告２

少し残念なような、でも「これからもめげずに続けますよ！」という意思表示も兼ねた、進捗報告です。

ユキオの治療ですが、専門のかたに検査していただいたところ、ユキオに感染しているC型肝炎ウィルスに変異が生じて、薬剤耐性となっていることがわかりました。残念ながら、このまま同じ薬を続けても効果が見込めません。やむを得ず、投薬を一旦中止しました。

人間のC型肝炎の場合でも、低い確率で同じ薬剤耐性の変異が生じることが知られています。不運なことにチンパンジーでもこの低確率なことが起こり、しかも、私たちがチンパンジー治療の最初の個体に選んだユキオで生じてしていたということになります。
ただ、薬を切り替えて治る見込みは残っています。ユキオの今後の治療については、次善の薬に切り替えて治療することを、少し時間を頂いて再検討させていただくことにします。

ユキオ以外の7個体のチンパンジーについては、体内のC型肝炎ウィルスに薬剤耐性の変異は生じていないことが確認できました。したがって、これら7個体のチンパンジーについては、第一選択肢の薬が有効です。

早速、ショウボウという名前の男性チンパンジーを対象として、投薬治療を開始しました。今後もう少し様子を見ながら、問題なさそうであれば、残る個体についても、頂いたご寄付に基づいて薬を購入して、治療を開始したいと計画しています。

なお、当初は8週の連続投与で治療できる見込みだったところ、12週投与に延ばしたほうがよい個体が複数いることがわかったため、当初私たちが想定していたよりも少し多く薬代がかかることになりますが、頂いた寄付金のうち手数料等を除いて熊本サンクチュアリで使える全額を投資して、足りない分は可能な範囲で自助努力で賄って、最大限できる治療を続けていきたいと考えています。

今後の治療は、比較的長い道になります。急いては事を仕損じるという言葉もありますし、間違いのないように進めていきたいと思っておりますので、今すぐに「治りました！」という結果のご報告できる類のものではないことについては、ご理解いただければ幸いです。

頂いたご寄付によって、このような治療に挑戦できることに、熊本サンクチュアリ関係者一堂あらためて深く御礼申し上げたいと思います。

最後に、治療薬を飲み始めたショウボウの写真を以下に掲げます。
今後も、節々で進捗をご報告します。どうぞよろしくお願いします。