研究部門の紹介 ②

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さらに、ザトウクジラの鼻水にはもしかしたら、海洋プラスチックや寄生虫の卵、ウイルスや炎症細胞なども含まれているかもしれないのです。こうした情報からクジラの健康診断も試みようとしています。今や海洋プラスチックは世界中で深刻な状況にあり、三宅島に来遊するザトウクジラにもその状況は変わりません。5mm以下の大きさになるマイクロプラスチックは、ヒトのうんちや血液から発見されているので、クジラの鼻水にも含まれているかもしれないのです。ウイルスや寄生虫の卵を含めて、そうした外来性異物が鼻水に含まれていて、クジラの炎症細胞が多くも見つかった場合、クジラにとってこうした外来性異物がよくないものであることがわかります。つまり、「ちょっと調子悪いかもしれないなあ」、とクジラが感じているかもしれないのです。

研究部門を総括をするのが、田島木綿子（国立科学博物館、研究主幹）、健康診断部分を担当します。そして、DNAのエキスパートとしては、西田伸（宮崎大学、准教授）、サツマゴキブリ、カブトガニからクジラまで！あらゆる生物のDNA解析を経験しています。さらに、山本敏昭（日本獣医生命科学大学、教授）、日頃はツキノワグマなど陸上哺乳類のDNAを研究していますが、今回は海の哺乳類にもチャレンジします。

彼らの「今！」を捉えるために、研究や解析に精いっぱい邁進します。