惜しみないひと

 

おはようございます、アトリエ紙と青のにしむらあきこです。

ご支援をいただき、本当にありがとうございます！

 

突然ですが、私には夢があります。

それは私の仕事がこれから大人になる誰かの夢に重なることです。

その実現の場所が百才だったらいいのにな、と思っています。

 

 

百才の庭のあちこちを彩っていたムスカリが、そろそろ終わりかな・・・

と寂しくなってきた４月の終わり。

OMOYAはまだ絶賛お片付け中、ゴミ出しがひと段落したくらいの頃でした。

（庭にはゴミがてんこ盛り・・・）

そこで私は婦人之友という月刊誌の取材を受けました。

その取材は、日本橋にある工芸ギャラリー「ヒナタノオト」のオーナーであり「工房からの風」というクラフト展のディレクターでもある稲垣早苗さんと私の対談というもの。

出会った２００９年から私の人生を豊かに彩ってくださった稲垣さんと、根を生やすと覚悟を決めた百才という場所で、制作のこと・私生活のこと・障害を持った息子のことを話しているのが不思議で、縁ってこういうふうに思わぬかたちでつながっていくものなのかもしれないと思いました。

 

その取材の中で、稲垣さんが私を「惜しみない人」と表現してくださいました。

もういい歳に反してまだまだ発展途上の私は、展示する場所を与えられると、今の自分１２０％を！と全力でやりすぎる感があり、おそらくその姿勢をそう表現してくださったんだと思います。

稲垣さんこそ全てにおいて惜しみない人ですが、その尊敬する人に自分の仕事ぶりをそう表現していただけて何よりも嬉しく、そのときから「惜しみない」とはどういうことなのかを、ブローチのように胸元に留めておき、気がついたら手で触っている、そんな日々がはじまりました。

 

 

7月に百才はグランドオープンし、現在の型に落ち着くまで様々な出来事がありました。

百才としての活動にしても、私の仕事に関わることにしても、日々めまぐるしく何かが起きて何かかが解決して、ずっとひとりコツコツと自宅で制作を重ねてきた私は連日ジェットコースターに乗っているような気分でした。

 

そんな日々の中、「惜しみないひと」が不思議と百才に集まってくることに気が付きます。

自分の損得ではないところでものごとを考えられる人、

自分の能力をケチらず手を尽くす人。

惜しみない人に出会うたび、私は気がついてなかった自分の浅はかさと愚かさに驚き、カチッとステージが切り替わる感覚を、この百才で何度も味わいました。

 

「木づつみのえん」を運営する大黒屋さん、

「OMOYA」を運営するハチコク社さん、

両者に共通することは、特に子供に対しての惜しみない姿勢です。

わたしも冒頭に記したように、これから大人になる人たちに(障害があるなしにかかわらず)惜しみなく、向き合いたいと思っています。

 

百才はきっとそういう場所になります。

未来をつなぐ子供たちを守り育てることに、

惜しみない大人が集まる場所に。