出発まであとわずか！最後の全体稽古がありました。

こんにちは。能役者・清水寛二です。

 

早速ご支援くださった皆さま、応援コメントをくださった皆さま、本当にありがとうございます！ひとつひとつのご支援・コメントに力づけられています。引き続き、応援よろしくお願いいたします。身近な方々にも広めていただければ幸いです。

 

さて、出発日もいよいよ目前に迫り、出演者・スタッフ揃っての最後の稽古が、私の所属する銕仙会の能楽研修所で行われました。以下は、最後の全体稽古の写真です。

 

 

ところで、古典作品と新作能には様々な違いがありますが、そのひとつが全体稽古の数です。古今東西の多くの伝統芸能がおそらくそうだと思いますが、私たち能役者にとって、古典作品の謡（うたい）や舞は諳んじていて当たり前、突然言われても演じることができるのが当たり前なものです。そのため、公演前に出演者が揃うのは「申し合わせ」と呼ばれる１度だけ。次はもう本番です。

 

新作能の場合は、そうはいきません。シテやワキ、アイの各役、地謡や囃子方、それぞれ古典能には無いやり方を実験的に行う部分もあり、出演者は複数回揃って稽古をし、また個別にも稽古や打ち合わせを重ねます。新作能の予算規模が大きくなってしまうことの要因のひとつではありますが、絶対に欠かせないプロセスです。

 

今回は特に、「ヤコブの井戸」が初演ですので、全体・個別の稽古を幾度も行い、試行錯誤を重ねました。「長崎の聖母」も、上演を重ねている作品とはいいながら、初めての出演者もいますので、古典作品のようにはいきません。また、上演のたびに、上演地の文化や社会、上演する会場の構造に合わせて様々な変更を加えますが、今回は面を新しく作り、それにより演出が変わったところもありますので、やはり複数回の稽古を行いました。なお、今回は九州や関西から参加してくれている出演者もいるのですが、彼らも東京での稽古のたびに、暑い中、駆けつけてくれました。

 

 

なかなかに大変なプロセスではありましたが、その甲斐あって、ずっしりと重みのある舞台になっていると実感しています。チーム一丸となって、この舞台を欧州のお客様に届けてまいりたいと思います。

 

引き続き、SNSでのご紹介など、応援のほど、よろしくお願いいたします。

 

能役者・清水寛二