地域を救う「新たな市民社会資本」をエンタメでつくる価値

 

たくさんのプロジェクトの中から、私たちの取り組みをご覧いただきありがとうございます。そしてご支援いただきました皆さまに、心より感謝申し上げます。

 

共同代表の本永愛と申します。若杉福祉会（那覇市）が行うこのミュージカルの取り組みには、これからの超高齢社会を支えるために大切な「地域の親和性」を育み、地域文化への愛着や信頼ある人間関係、多世代で多様なネットワークづくりの方法を、子どもたちへつないでゆく大切な思いが込められています。 

 

 

昨年末、ここ沖縄県も、2020年国勢調査で県人口に占める65歳以上の割合（高齢化率）が22.6%となり、「超高齢社会」の水準を超えました。高齢者の孤立を防ぎ、住み慣れた地域で最後まで活躍できる居場所づくりを実現するとともに、コロナ禍以降さらに、子どもたちの生活問題が多様化・複雑化する中で、そうした課題を緩和し解決する旗手として、児童福祉施策が果たす意義は大きく期待するニーズも高まっています。

 

 

若杉福祉会は平成30年から指定管理者として大名児童館を受託し、子どもたちの生活問題に目を向け緩和する取り組みを続けてきました。子どもたちの問題に大人が気づいてあげて、ともに考え支え合える関係性や親和性を育むために、市民でつくる音楽ライヴや舞台創作は多大な効果があることを実感し、今回のミュージカル制作につながりました。

 

 

代表者の屋宜が日々最も大切にするのは、どの子も気軽に来館できる環境づくりです。「子どもたちは来館するだけで100点満点」。それだけで救える子どもたちがいます。児童館には見守りだけでなく、子どもの夢の応援を真剣に考える大人の存在が必要と考え、自己表現を引き出し能動的に自分のやりたいことを創造していける力や切磋琢磨できる仲間づくり、夢を叶える実力につながるマネジメントなどまで幅広く実践的な体験を通して教えてきました。

 

 

本事業への挑戦もその取り組みの一貫として計画しています。地域文化振興を促進する大きな影響力をもつミュージカル・ワークショップを通じて、単発的な取り組みではなく段階的なプログラムを組みながら、事業の継続性や地域への浸透を実現します。多世代交流を通じて、子どもたちの未来を地域で考え、自己実現の達成だけでなく、地域のにぎわいづくりや活性化にもつなげる「新たな市民社会資本」をエンターテインメントで創出したいと考えています。引いては、市民舞台芸術を観光資源にもできるよう、沖縄県内はじめ、全国の地域課題を抱えるみなさんと意識を醸成できればと思っています。

 

 

ここからはじまる。今日からはじまる。

このプロジェクトは、全国へ「新たな市民社会資本」をエンターテインメントでつなぐ映画づくりへ向かいます。ミュージカル制作の準備段階から、公募後はじめて出会う人々が互いの気づきを得て自己実現していく姿や、本番舞台へ向けて行政やメディアも巻き込んだ話題づくりを実現し、来館者約1200名を感動させるに至ったストーリーをドキュメンタリー映画にすることで、沖縄県内、全国各地の「新たな市民社会資本」づくりをサポートする活動をスタートさせます。

 

 

今回の経験の中で、特に集団行動に不安のあった子どもたちの成長ぶりには感動があり、みんなすごく輝いていました。障がいの有無も関係なく、どの子も自由に歌い、踊り、大舞台へ立つことができました。途中、癇癪や無気力な態度があった子どもたちも、最後は立派に演じることができました。大人も子どもも誰でも昨日までの自分とは異なる明日を見つけて、今を歩んでいます。

 

 

その１年間の軌跡と成長を、子どもたちの未来の社会づくりに役立てられるよう、記録映画として残してあげたいと思います。その上で引き続き、この取り組みへ協賛のご協力を頂けますと幸いです。皆様にサポートしていただいた証はしっかりと映画やメイキングブックに記し、本作品とともに後世へ伝わるよう構成していきます。最後まで何卒　応援のほどよろしくお願いいたします。