達成御礼！青は藍より出でて藍より青し､PGV-1はｸﾙｸﾐﾝより出でて｡

クラウドファンディングは、おかげさまで第一目標の1,350万円を達成致しました！本当に大勢の方々に支えられてここまで至ることができました。心より感謝申し上げます。本日はコラムのような形で、「PGV-1」について書かせていただきました。

 

「青は藍より出でて藍より青し「（あおは あいより いでて あいより あおし）」とは、昔からよく言われる例えですが、私はこれを聞いて、これこそ「PGV-1」だと思いました。

 

「藍（藍草）」は青色染料の原材料として用いられますが、出来上がった染料は、元の「藍」よりももっと青くなります。

 

これを、弟子と師匠の関係に当てはめ、 弟子が師匠より優れていることのたとえ として用いられる言葉です。

 

PGV-1はクルクミンを元に生み出された化合物ですが、クルクミンよりももっと優れた抗がん作用を持っています。最初、クルクミンを用いた時に「がん細胞の増殖を強く抑える」というのが印象でしたが、薬効を示す濃度が高い（大量に投与しないと効果がない）こと、マウスの実験で経口の場合の作用が弱い（飲み薬として効果が弱い）こと、などの問題がありました。

 

PGV-1を用いてみると、【クルクミンより60倍効果が高い（少ない投与で効果がある）こと】、さらに、【マウスで経口でも高い効果を示す（飲み薬として使える）】ことがわかり、大きな希望となりました。

 

 まさしく、クルクミン研究から生み出されたPGV-1はクルクミンよりも「青」かったのです（実際の色は黄色ですが……。）

 

しかし、PGV-1のような化合物は他にはありませんでした。様々な論文に報告されている色々なクルクミン誘導体や、色々なアイデアの元に合成して見たクルクミン類似体の中には、確かにクルクミンより優れた化合物は存在しました。しかし、せいぜい5倍から10倍でした。これでは、実用化は困難です。その中で、60倍から100倍の効果を示す化合物がありました。それがPGV-1でした。

 

PGV-1を元に色々な工夫が加えられましたが、今の所、大きな改善には至っていません。「藍より青い」ものはそう簡単には無いのです。PGV-1を元にした実用化までにはあともう少しです。幸い、皆様のご支援のおかげで「フラックスアナライザーXFp」の購入が可能になりました。「フラックスアナライザー」を用いた実験は実用化までの距離を確実に縮めてくれます。

 

 次の目標は、「動物用自動血球計数装置」の購入です。「動物用自動血球計数装置」は、簡単に言うと動物（マウス）の健康状態を診断する機器です。がんを発症するモデルマウスにPGV-1を投与し、継時的にマウスの健康を診断できます。PGV-1の癌抑制効果を、より実際の病気に近いモデルで検証できます。ヒトに投与する臨床試験に進む前に是非必要な実験です。どうぞよろしくお願いします。

 

●　●　●　●　●

 

実は、「青は藍より出でて藍より青し」には、もう一つ意味があります。

 

「努力によって修養を高めることができる」という意味です。染料となる藍を、色々な工夫と努力によって加工することで出来上がった青は、もとの藍よりも青くなることのたとえです。

 

人生何でもそうですが、サイエンスにおいても努力が必要です。「ぼーっと生きて」いても何も進歩はありません。日々、努力をしていると、それが実を結ぶのだと思います。

 

我々が研究しているPGV-1もそうです。日々の努力が重要です。その積み重ねが、いずれ、「『がん治療＝つらく苦しい』が、当たり前ではない未来」を実現することにつながるのだと信じています。

 

 

今日はまだ、新型コロナ禍で実験もままならない現状ですが、それでもできることを日々重ねていくことが、やがて実験が再開された時に大きく役立つのだと信じています。その時に、皆様のご支援で購入できる「フラックスアナライザー」のおかげで大きく前進できます。

 

さらに、次の目標としている「動物用自動血球計数装置」があれば、より実際の病気に近い動物モデルで検証できるので、ヒトに投与する臨床試験に向かって大きく前進します。

 

皆様、どうぞ、我々にこの夢を叶えさせて下さい。お力をお貸しください。よろしくお願いします。