なぜ、桜の庭造りを行うのか、書かせていただきます！

この度のクラウドファンディングでのテーマは、老舗旅館・岡屋の後継者の行う『桜で名所再生』です！

数々のストーリーのある興津・清見潟で、今回、私が注目した事は、この地は、ワシントンD.C.に東京から寄贈し、平和外交の桜として大切にされてきた、桜の誕生の地だという点です。

誕生の地の理由は、寄贈のエピソードにあります。 一度目の桜の寄贈は、病害虫の検疫で失敗してしまいました。
そこで、依頼を受け、のちに坐漁荘の西園寺公望公の執事として活躍した熊谷八十三技師は、名誉をかけ、荒川堤の桜の品種を伊丹市の山桜の台木に接木した後、ここ、興津・清見潟で命も危険なガス燻蒸を行い完璧な状態の苗を作り、みごと検疫をクリアし、寄贈に成功しました。
このエピソードから、戦時中も、『平和の桜』として保護されました。

こうしたエピソードと、その人物が徹底した平和外交で知られた西園寺公望公の執事として興津詣でに関わっていた事実から、平和外交の桜・生誕の地として、桜を名所として大切にするべきだと私も思いました。

現在、興津宿寒桜まつり等で、残された桜『薄寒桜』は大切にされています。

しかし、清見潟の名所としてのブランドは、岩礁、白砂青松、月…いくつかのイメージがあったはずがいつの間にか『岩地』のみが強くなり、その『岩地』が無くなると清見潟のブランド自体が消えかかってしまいました…。

では、こうした桜の歴史を大切にし名所とする同じベクトルの元、岡屋旅館としてはどうするべきか考えました。

そこで、岡屋旅館は、伝統的な日本旅館として、『お辞儀をしてお客様を迎えるイメージ』の枝垂れ桜の並木を作ろうと考えました。

この枝垂れ桜が岡屋旅館から外に向かって咲き、道行く人々からも名所になっていただく庭造りが、このたびのプロジェクトで行うメイン事業です！

岡屋旅館 八代目若旦那 小田裕也
(八代目岡屋弥左衛門)