【線と点】～中国自主上映を経て～

 

 

【線と点】

 

 

去年の12月末、念願の中国自主上映を果たした。

２年前に企画してから二度の頓挫を経て、ようやく達成した中国上映。

北京市内で、二度上映した。

北京市内中心部に位置する、日本料理「コスモス」を貸し切っての上映。

会場には様々な形で中国にアイデンティティを持つ人達が集い、

上映後の手ごたえもしっかりあった。

 

 

 

 

 

会場を眺めて思う。

人は「線と点」の生き物だなあと。

 

 

便宜的、あるいは先天的に引かれた「線」の中で人は自己を確立していく。だがそれを窮屈に感じた一人の勇者が、ある時、線を飛び越えて向こう側に小さな「点」を打つ。

 

点はシンボルとなり、賛同した点たちの集いは再び線と化す。

国という「線」を越えて集う「点」達を眺めながら、

自分の作品を、その意義を考えてしまった。

 

点と線の繰り返される収束と拡張はどこに行きつくのか。

少なくとも中国で感じたのは、より優しい「線」であろうとする姿勢だった。

文化には国境がある。

２年の時を経て、やっと飛び越えた線の向こう側で「血筋」はどんな「点」となっていくのか。

 

僕も一人の観客として楽しみにしたい。

 

 

 

 

ご協力頂いた、和僑会の皆様、「灯り」の皆様、そして二度の頓挫に親切にも付き合ってくれた丸山大貴くん、心から感謝申し上げます。

 

 

角田龍一

 

本記事は新潟 シネ・ウインドの月刊誌「月刊WIND2月号」に掲載されたものです。

 

 

＜劇場公開スケジュール＞

新潟　3月14日～27日

東京　3月28日～

ほか未定

 

ホームページ

indelible2020.com