支援総額
目標金額 1,500,000円
- 支援者
- 21人
- 募集終了日
- 2019年10月31日
白井康彦 証言台から物価偽装を糾弾⓶
◎証言台から物価偽装を糾弾⓶
フリーライター・白井康彦
今年10月10日午後の名古屋地裁。私は、法廷の証言台から物価偽装のカラクリと重大性を解説しました。パワーポイントの使用はOK。主尋問では、証言台のタブレット端末に映し出される説明用の表やグラフなどを見ながら、弁護士との一問一答形式で話を進めていきました。次のようなやりとりもありました。
弁護士「証人はどうして物価偽装という言葉を使うのですか」
白井「厚労省が意図的に物価下落率を膨らませたからです」
物価指数は非常に重要な経済統計です。賃金や社会保障給付の物価スライドの指標にもなっています。そこで、私は次のように指摘しておきました。「物価偽装は『物価指数は正しく計算されている』といった国民の信頼感をぶち壊すとんでもないふるまいです」。
酷い統計偽装であることは、次のグラフを見てもらえば理解しやすくなると思います。
厚労省は、生活扶助相当CPIが2008年~2011年で4.78%下落したと説明しました。2008年が104.5、2010年が100、2011年が99.5なので、2008年の104.5から2011年の99.5にかけての下落率が4.78%という説明でした。
日本では、CPI(消費者物価指数)は総務省統計局が担当しています。そして、統計局はCPIをラスパイレス式でいつも計算しています。世界各国のCPI担当機関も同様です。厚労省の生活扶助相当CPIの計算は、2010年~2011年の期間は統計局と同じラスパイレス式が使われました。グラフの①の茶色の線です。2010年が100で、2011年が99.5です。
ところが、2008年~2010年の期間については、厚労省は統計局とは違う方式で計算したのです。実質的にはパーシェ式と呼ばれる計算方式でした。パーシェ式は普段はまったく使われていません。グラフでは②の赤い太い線です。2008年が104.5で2010年が100。この2年間の下落率が約4.3%と、びっくりするほど大きいのです。
この2年間を統計局方式のラスパイレス式で計算してみると、2008年が101.8で2010年が100です。これがグラフの③の緑色の線です。2010年~2011年の期間は、厚労省も統計局方式で計算しており、2010年が100で2011年が99.5でした。2008年~2010年と2010年~2011年の2つの期間をともに統計局の方式で計算すると、2008年が101.8で2011年が99.5なので、3年間の下落率は2.26%にとどまります。
ここで、じっくり考えてほしいのは、厚労省がラスパイレス式とパーシェ式を併用したことです。物価指数は、違う方式で計算すれば、違う計算値が出ます。ある期間はA方式、次の期間はB方式というのは誰が考えても異常です。私は10月10日、名古屋地裁の法廷の証言台から「計算方式の併用は社会常識をも逸脱しています」と声を高めて強調しておきました。
今年4月の衆院厚生労働委員会では、総務省統計局の幹部が野党議員に質問されて、次のように答弁しました。「一般論ということで言えば、算式が違うものを比較するというのは適切なことではないんだろうと思います」。不適切だとあっさり認めたわけです。厚労省をかばいきれません。物価偽装が酷すぎるからです。
厚労省の生活扶助相当CPIの計算には、計算方式の選択以外にも重大な問題があります。物価指数は、対象となる多くの品目の値動きと各品目の支出額割合をもとに計算します。厚労省が各品目の支出額割合として使った数値は、一般世帯平均のものでした。生活保護世帯平均の数値を示す社会保障生計調査のデータもあったのですが、それを使いませんでした。そのため、厚労省の計算は、生活保護世帯の実態とはかけ離れたものになってしまったのです。法廷の証言台から私は「社会保障生計調査のデータを活用しなかったこともまったく腑に落ちません」と畳みかけました。
2008年の社会保障生計調査のデータを活用してラスパイレス方式で、私が生活扶助相当CPIを試算したのがグラフの④の青い線です。2008年が100で、2011年が99.36。3年間の下落率は0.64%に過ぎません。情報開示された社会保障生計調査のデータが不十分なものだったため、多少の誤差を含んだ数字です。それでも、いろいろ検討した結果、私は誤差はそれほど大きくないと確信しました。「正しく生活扶助相当CPIが計算されていれば、3年間の下落率は1%未満だった可能性が高い」と判断しています。厚労省の計算値とは4ポイントほども差があります。
厚労省が選んだ計算方法だと、なぜ物価下落率がこれほど大きく膨らんでしまうのか。そのカラクリをしっかり理解できたとき、私は「物価偽装の酷さを多くの国民になんとしても知らせよう」と誓いました。次回はそのカラクリの説明です。
(了)

リターン
5,000円

【来場者限定】自家焙煎コーヒーで宇都宮健児先生と交流会
コーヒー1杯のご提供と、宇都宮健児先生と存分に直接語り合える機会を提供させていただきます。
・宇都宮健児先生とお話しできる権利
※このコースは11月2日(土)の全国クレサラ・生活再建問題被害者交流集会にご来場いただいた方限定となります。
※お時間は応相談となります。
※ご来場にかかる交通費はご自身でご負担ください。
- 申込数
- 2
- 在庫数
- 48
- 発送完了予定月
- 2019年11月
5,000円

メールでのお礼とパンフレットデータ、活動報告書のご送付
お礼のメールと貧困・生活再建への悩み相談に関するパンフレット、全国クレサラ・生活再建問題対策協議会の活動報告書をお送りいたします。
・お礼のメール
・パンフレットのデータ送付
・報告書のデータ送付
※私たちは生活に問題を抱えて生きづらさを抱えている方の相談に乗ります。希望者には各地の相談会をご案内します。また、地元埼玉では暮らしとこころの相談会を直接ご案内します。
- 申込数
- 7
- 在庫数
- 293
- 発送完了予定月
- 2019年11月
5,000円

【来場者限定】自家焙煎コーヒーで宇都宮健児先生と交流会
コーヒー1杯のご提供と、宇都宮健児先生と存分に直接語り合える機会を提供させていただきます。
・宇都宮健児先生とお話しできる権利
※このコースは11月2日(土)の全国クレサラ・生活再建問題被害者交流集会にご来場いただいた方限定となります。
※お時間は応相談となります。
※ご来場にかかる交通費はご自身でご負担ください。
- 申込数
- 2
- 在庫数
- 48
- 発送完了予定月
- 2019年11月
5,000円

メールでのお礼とパンフレットデータ、活動報告書のご送付
お礼のメールと貧困・生活再建への悩み相談に関するパンフレット、全国クレサラ・生活再建問題対策協議会の活動報告書をお送りいたします。
・お礼のメール
・パンフレットのデータ送付
・報告書のデータ送付
※私たちは生活に問題を抱えて生きづらさを抱えている方の相談に乗ります。希望者には各地の相談会をご案内します。また、地元埼玉では暮らしとこころの相談会を直接ご案内します。
- 申込数
- 7
- 在庫数
- 293
- 発送完了予定月
- 2019年11月

緊急支援|被災重なるフィリピン、台風25号被害へのご支援を
- 現在
- 571,000円
- 寄付者
- 65人
- 残り
- 35日

緊急支援|フィリピン地震へのご支援を
- 現在
- 1,628,000円
- 寄付者
- 222人
- 残り
- 9日

継続寄付でミャンマーに希望を ~繋がる支援で避難民の明日を~
- 総計
- 111人

マンスリーサポーター募集!生活困窮者の命と住まいを守る活動
- 総計
- 14人

【毎日営業の第三の居場所】地球の子供食堂と宿題Cafeひがしく店
- 総計
- 62人

てくてくサポーター募集中|闘病ママパパの子育て・暮らしのサポーター
- 総計
- 12人

“他人”はお断り―お見送りも、お墓参りもできない孤独死をなくしたい
- 総計
- 0人












