彫刻スタッフ紹介 “木なら何でも彫れる”【山本雄大】

彫刻チームのスタッフのご紹介です。

現在いるスタッフ（大森暁生先生の、いわゆるアシスタント）の中で、

もっとも工房の在籍歴（通算勤務時間）が長い、いわば彫刻スタッフのリーダー的存在の山本雄大さんです。

静岡県三島市出身 東北芸術工科大学大学院 彫刻領域修了。

大日如来のプロジェクトが始まってからの中途参加だったのですが、いつの間にか彼が最も古参のスタッフになっていました。

私の彼に対する人物評価をひと言で表すなら、まさに「剛毅朴訥、仁に近し」。

寡黙で実直、温厚で真面目で控えめな性格で工房の後輩たちから慕われるだけでなく、材木商の方からもその人間性を高く評価されていると聞き及びます。

木彫の腕はピカイチで、彼の技術には私も大いに信頼を寄せております。

本人曰く「木なら何でも彫れる」そうです。

ひとくちに彫刻と言っても、扱う素材は石であったり、粘土で作る塑像であったり、木以外にもさまざまなのですが、中でもとりわけ木彫が最も難しい素材であることは間違いありません。

その木を扱って何でも彫れると寡黙な彼が豪語するのですから、技術力の高さは推して知るべし、です。

実際、彼の作品を見ると非常に繊細で緻密な表現を木彫で具現化しています。

今回の仏像制作では三十七尊と蓮華座の多くを彼が担当するとともに、獅子の持物である密教法具や武器類の多くを手掛けています。

そして、大森先生曰く「山本が、獅子の口の中をやたらと凝って彫っていた」そうですが、それを聞いて私は非常にうれしく頼もしく思いました。

魂は細部に宿ると申しますが、獅子の口の中はまさしく、その意味において超重要箇所だと私は考えておりますので、その部分を彼が一生懸命に制作してくれていたということを聞いて「やはり、たいしたものだな。」と感心しました。

彼は「手（＝制作速度）も早い」そうですので、今後の制作も彼の活躍如何にかかっているところが大きく、彼には大いに期待を寄せております。

 

また、彼の作家個人としての制作活動は、独特の世界観に基づいた作品を高い制作技術で生み出しておりますので、美術ギャラリー関係者や愛好家のみなさん、彼の今後の活動にご注目くださいますよう、よろしくお願いいたします。合掌