本尊装身具の七宝パーツのご紹介

今回は本尊の身体を装飾する金属製の装身具についてご報告させていただきます。

これらはすべて現在そごう美術館で展示中です。

今回の仏像造りの新たなチャレンジとして、仏眼や白毫、そして装身具類を七宝で製作するという試みをしております。そうなったのも、ある意味偶然と申しますか、彩色担当者として参加した工房スタッフの中に菊地貴子さん（プロフィール等詳細はプロジェクトページのメンバー紹介をご覧ください）という日本画と七宝を組み合わせた作品を発表している人がいたからです。

菊地さんは生まれ持った素質とこれまでの七宝の制作経験を背景に、今回の仏像のパーツ制作のために、日夜試作研究を繰り返し、類まれな情熱をもってこれらの制作に取り組んでくれました。

その一部をご紹介させていただきます。

そごう美術館の装飾品展示ケース全体です。

こちらは、二の腕に取り付ける飾りです。腕輪ですね。

こちらは首からぶら下げて胸元を飾るもの、今風に言えばペンダントでしょうか。

こちらは仏眼の試作品です。本採用のものはもっとリアルでまるで人間の目のようです。

白毫と共にかなりの試作と研究を繰り返してくれたそうです。

こちらは白毫といって、仏様の眉間にある白い突起です。じつは一本の白く長い毛でして、それを表現するために七宝で金属の線を８重に巻いているそうです。これがものすごい技術でして、これを作れる人は他にいないのではないでしょうか。少なくとも現時点で、これを作ったのは歴史上でも菊地貴子ただ一人です。創作に対する妥協のない執念を感じます。

こちらも胸飾りの七宝パーツです。いろいろな形や色があります。

胸飾りの図面です。菊地さんが描いたものです。