エシカルファッションの課題

あるフェアトレード専門店へ伺い、個人的にお買い物をする機会がありました。

驚いたのは、フェアトレードファッションのバリエーションが豊かになってきていることです。

 

 

細かいピンタックがたくさん入ったブラウスなど、縫製のテクニックを要するアイテムもありました。今後いっそう技術が磨かれていくのではないでしょうか。

 

いろいろな洋服を拝見して感じたのは、フェアトレードファッションの製造現場において、そろそろデザインとパターン（※）の基礎教育が必要とされる局面を迎えつつあるのではないか、ということです。

 

優れた洋服を作るには、

①素材

②デザイン

③パターン

④縫製

という大きな柱があり、どれも疎かにはできません。

 

縫製については、現場の仕事を通じてスキルアップ可能ですが、デザインとパターンについては、基礎から系統立てて学ぶことがとても重要です。

フェアトレードファッションに、スモックやパジャマのようなデザインが多いのは、複雑なパターン操作ができる環境が与えられていないからだと思われます。

 

消費者はファストファッションを通じ、安くて質の保たれた洋服を見慣れています。エシカル商品の理念に共感しながらも、割高感から手が伸びないというジレンマが常につきまとってしまうのです。

 

優れたデザインワークがなされていれば、「フェアトレード」や「社会貢献」といった道義上の動機ではなく、純粋に品質を認められて、購買層を広げていくことが可能です。

 

「生活のために、まず仕事を」という現状で、目の前の課題で精一杯だと思いますが、われわれ消費者も長い目で見て応援していかなければいけないですね。

 

（※）

パターン＝型紙

パタンナーという技術専門職が、デザイナーの描いた画をもとに型紙を起こし、製造につなげる。