島根大学総合理工学部建築デザイン学科　細田教授のメッセージ

　小児科の病棟及び外来の処置室について、私自身でメジャー・レーザー計測機・カメラを使って実測を行い、CADで平面図・展開図(壁を横からみた図)・天井伏せ図を作図しました。そこで気付いたのは、現在の処置室は大学の普通の会議室や教員室の内装材料や空調機器とまったく同じものが使われているという事実でした。スタッフの方々の創意工夫によって少しシールが貼ってありますが、会議室と同じ無機質な壁や天井を見ながら採血などに耐える子どもたちの気持ちを思うと涙がでます。

　学生たちとデザインを考えるとき、私は基本的な諸条件の整理は行いますが、デザインの方向性は学生たちの創造力になるべく任せるように心がけています。そうすることで学生たちが主体的・積極的に考え、手戻りの多い作業にも納得し、若い感性で豊かなデザインが出来上がると思うからです。今回の内装デザインを考えてくれている学生たちには、子どもたちやご両親、スタッフの方々が少しでも温かな気持ちになれるものを実現して欲しいと話しています。