千年サンゴが教えてくれた豊かな海

皆様のおかげで、プロジェクトの目標額に向けて着々と進んでおります。 

残りはあと２５８万円ですが、このプロジェクトが成功すれば美しい海を未来へ繋げ、世界中の人々や生活に役立てることができますので、目標達成に向けて引き続き走り続けます。

僕自身、海との関わりは長く、それこそ辿ると伊勢湾へ至るのですが、大きな出来事としては20歳の時にワーキングホリデービザで訪れたオーストラリア。24歳の時のヨットによる北太平洋横断。30歳の時の千年サンゴ撮影、34歳の時のエダミドリイシサンゴの産卵撮影でした。

それぞれのエピソードはこれからお伝えしていこうと思うのですが、今回は「千年サンゴ撮影」をお話しします。

そもそも今回のプロジェクトのように、海洋ごみ環境教育をスタートさせたのはこの「千年サンゴ撮影」がきっかけでした。

海洋ごみ問題はもちろん幼少期から知っている事でしたが、それを地球写真家として伝えるにはまだまだ力不足と感じていました。

しかしキッカケが突然訪れました。１０年前に徳島県の千年サンゴを撮影する機会を得て、実際に海中でその姿を目の当たりにしたのです。

推定１０００年かけて成長したとされるその巨大なコブハマサンゴは、高さ約９メートル、周囲約３０メートルもあり、潜水早々その迫力に圧倒されました。そしてそのクリスマスツリーのような出立ちに棲みつく、多種多様な海洋生物たちに生命の神秘さを感じ、これを徳島の子供たちに伝えたい！　と強く思ったのです。それと同時に千年サンゴの周辺に沈没しているプラスチックごみにも衝撃を受け、この感動と現実を一緒に伝える海洋環境学習の動画を作らなければとスタートしました。

制作した動画はポジティブさを一番に出すために、劇中では海洋ごみについては触れず、オブラートに山と海が繋がっていることを伝えています。

そのため、この制作した動画を出前授業で使用した時には、海洋ごみの実物を使って徳島の海の豊かさと共に海洋ごみの現実を学んでもらいました。

あの神秘溢れる千年サンゴを目にすることがなかったら、きっと今回のようなプロジェクトを立ち上げることはなかったと思うと、それはもしかしたら運命の出会いだったのかもしれません。

この時制作した動画は公開しておりますので良ければご覧ください。

『水と海のものがたり』2015年制作　企画撮影編集：石井友規　©︎徳島県

https://youtu.be/_9Pe-gorRGI?si=CCzZAvhdmUc9PgXu