☆コラム⑤☆戸嶋諄　母

今回のプロジェクトのことを、story catの運営元である“あきた結ネット”代表の坂下さんから聞いた時「面白そう！」と思った。

“クラウドファンディング”という言葉自体を、もちろん聞いたことはあったものの、自分とは縁遠いもの、関わることがないものだと感じていた。

諄は現在、福祉サービスを利用していない(できない)。

福祉サービスの利用を停止してから、もうすぐ一年になる。

諄は私の勤務先である地域活動支援センターに同行し、他の仲間たちと共に時間を過ごし、布に絵を描いたりおてがみを描いたりしている。

諄が布に描いた絵は、バッグや小物に縫製され、story catさんで販売してもらっている。

今までもたくさんの方に購入されてきたが、今回のクラウドファンディングを通して、さらにたくさんの人たちに諄の絵をみてもらえるのかと思うと、嬉しくてドキドキする。

これから「諄の絵が好き！」と言ってくれる人がもっと増えたら、どんなに嬉しいだろう。

そして、諄が大好きな絵を描くことで、周りの人たちと繋がり、サポートしてくれる人が増えたらどんなに幸せだろう…。今回のこのクラウドファンディングが、その始まりの一歩になればと思っている。

いずれ私たち親は順番からいけば、諄より先にこの世を去らなければならない。

そのときに、諄が自分らしく生きていけることを、心から願っている。

　　　　【おわり】