台湾現地リポートNo.04

こんにちは。プロジェクトメンバーの戸田です。

公開からまもなく1ヶ月！目標達成目前です。やって来たこと、やっていることに共感いただき、こうしてご支援いただける喜びを噛みしめています。本当にありがとうございます！

 

さて、充実の台湾出張最終日。

出張のメインイベントであった台湾のスタッフ向けのお弁当ワークショップです。以前のリポートでもお伝えした通り、今回のプロジェクトのテーマは、

 

「日本の弁当文化」×「台湾デザイン」×「サスティナブル素材」

 

台湾デザインはもちろん台湾TZULAI社のデザイナーにお願いする部分ですが、デザインする前に、ぜひ日本の弁当文化に触れ、体験してもらった上で、デザインワークに活かしてもらいたい、そんな野上さんの強い想いがあって、ワークショップが実現しました。

 

まずは現地TZULAI社長ロジャーのオススメ光復市場で食材調達。前日に訪れた台中第二市場と比べると多少コンパクトですが、ありとあらゆる食材が揃っています。

 

 

流れるように買い物が進んでいく中で、思ったことが一つ。

市場ですから色んな食材が大量に雑然と並んでいるんですが、野上さん、初めて来た場所なのに、一方向に進みながら買い物をし、一度も逆戻りしなかったんです。必要なものだけ無駄なく買う力。すごいです。女の勘？主婦力？料理家の経験？何なんでしょう？野上さん・笑

 

中心部の市場建物は10年ほど前に改装工事したそうで、中は小綺麗な雰囲気でした。その場でパクつけるような、餃子や包子、ちまきから、スイーツ系まで、かなり充実しているので、次回は朝からゆっくり訪れたいですね。

 

 

さて、市場近くのキッチンスタジオで始まったお弁当ワークショップ。

まずは、モニタを使ったレクチャーから。日本人の私にとっては当然のように慣れ親しんだ弁当ですが、体系立てて整理して聴くことはなかったのでとても新鮮。と同時に日本人として日本の弁当文化を改めて誇らしく思えた素敵な時間でした。

 

 

ただ、実際に体験してもらうのが今回のワークショップ。レクチャーもそこそこに調理スタート。野上さんが調理したご飯やおかずを、参加者全員それぞれ自分のお弁当箱に詰めていくスタイルです。

調理中の野上さん、食材の紹介や特徴から、調理方法の説明はもちろん、「日本ではこうだけど、台湾ではどうなの？」と参加者に訊き、巻き込みながら、いつの間にか10品作っていました。。しかもレクチャーから調理中のトークまでほぼ英語！プロフェッショナルの仕事です。

 

 

皆、好きなおかずを好きな量、思い思いのレイアウトで詰めていったことで、同じおかずにも関わらず、すごくバラエティに富んだお弁当が出来上がりました。全員のお弁当を並べてみたら、当たり前ですが同じお弁当はありません。何より皆嬉しそうな表情をしていたことがとても印象的でした。

 

 

「見方を変えれば価値が変わる。」野上さん新城さんが常々口にする「リフレーミング」ですが、人が変わっても価値が変わるんだなと実感した瞬間でした。

 

昔から「折詰」という文化があるように、日本のお弁当は「詰める」という作業が特徴的だと思っています。台湾にももちろんお弁当はありますが、どちらかと言うと「よそって」「のせる」豪快なイメージ。今回のワークショップで「詰める」工程を体験したことで、デザインを担当するエリックにとっては、とても貴重な時間となったようで、「パズルを楽しんでいるようだった。」と話していました。「食材や料理」と「器となる箱」の関係を再認識してくれたようで、私たちの狙い通り。出張の大目的達成です。

 

元来TZULAI社が得意とする、伝統的な意匠を現代的にエレガントに甦らせる力に、日本の弁当文化が落とし込まれ、その後のデザインワークに期待が持てる3日間となりました。

 

今回はここまで。次回はデザインや機能の追求の変遷をお届けしたいと思います。ありがとうございました！