子どもたちの思いを映すトーキングマット

皆さん、こんにちは！SDM-Japanの本間です。

トーキングマット子ども版フルセットの翻訳真っ只中！着々と準備が進んでいます!(^^)!　皆さんのお手元に届く日を、私たちも楽しみにしています！

子どもたちの思いを紡ぐトーキングマット

トーキングマット子ども版の作成を進めながら、最近は小学校までの小さなクライアントともトーキングマットをしています。

日本語版トーキングマット子ども版をイメージしながらも、今回はイギリスから持ち帰ったトーキングマットを使いながら行っています。

子どもたちはカードゲームのように、次にどんなカードが出てくるのかワクワク、ドキドキの表情を浮かべながらトーキングマットに向かい合い、様々な思いを出してくれます。

 

＊＊見えなかった思い＊＊

今回は９歳のミキさん(仮名)とのトーキングマットをご紹介します。

ミキさんとは４歳の頃からのお付き合いです。出会った頃はほんとうに小さかったミキさんも、小学校４年生。すっかりお姉さんらしくなってきました。数年前にお母さんを亡くしていて、今はお父さんとふたりで暮らしています。

いつも元気で、周りへの気遣いがよくできるミキさんですが、トーキングマットの前では、普段と違い神妙な面持ちでした。

この日は、リレーションシップ（つながり）のカードを使って行いましたが、一つ一つのカードをじっくり考え、時には悩む様子も見られました。

快活な印象のミキさんでしたが、実は周りに気を遣い過ぎて、色々人間関係について悩んでいる様子が見えてきました。悩んでしまう関係性のカードを手に取ると、ふわふわとどこに置くか悩んでしまうのです。それは、ミキさんの優しさや思いを表している動作にも思えました。

 

☆聞き手のカードの選択☆

トーキングマットでは、聞き手がカードを渡す時、その対象者に合ったものをある程度選ぶことがあります。例えば、女性に「ひげそり」のカードを渡さない、というように対象に合わないものは除外する場合があります。

私が、リレーションシップのカードをミキさんに渡すときに、「お母さん」のカードで一瞬手を止めました。お母さんを亡くしているミキさんに、「お母さん」のカードを渡していいか考えて、一旦は渡さずに後ろに回しました。

しかし、再度カードを回して確認するうちに、聞き手としてこのカードを除外することが正しいのか考えました。

そして、最後のカードとしてミキさんに「お母さん」のカードを渡しました。

これまでは、置く場所に悩んでいたミキさんが、「お母さん」のカードだけは、即座に『好き』の方に置いたのです。

この時、このカードを出してよかったと思いました。

これまで、訪問などの関わりの中では、お母さんの話しをすると、悲しそうな表情を浮かべるミキさんを見て、思い出させることはどうかと思い、あまり話題に出さなくなっていました。しかし、「好き」の場所にお母さんのカードを置いたミキさんは、こちらも嬉しくなるほど、笑顔でお母さんへの思いを語ってくれました。深い思いを感じ取れた瞬間だったと思います。

 

「やってみてどうだった？またやってみたい？」

カードが並んで、再度位置の確認などを行った後には、必ずやってみての気持ちを聞いています。ミキさんからは「緊張したけど楽しかった。またやりたい！」という言葉か聞かれました。

それを見える化するために、SDM-Japanメンバーが作ってくれた、振り返りシートを使って聞きました。ミキさんの緊張が伝わってくる振り返りシート、そして、満足してまたやってみたいと答えてくれたのは、聞き手としても嬉しい結果となりました。

聞き手の感じ方、話し手の思い、様々な思いがマットの上に見出せたセッションでした。

 

みなさんも、どうかトーキングマットを活用して、様々な深い思いに触れてみていただきたいと思います。トーキングマット子ども版も楽しみにしていてください(^^)/

 

　　　　　　　　　　　　　SDM-Japan　　本間　奈美

　　　　　　　　　　　　　（認定社会福祉士(障害分野)、精神保健福祉士、相談支援専門員）