海からはいあがった海ちゃん！

種子島にはあちこちに野良猫が生息しており、集団で住み着いている場所がたくさんあります。雨風がしのげ、エサも毎日もらえるような場所であれば猫が集まり、避妊去勢手術をしなければそこでどんどん増えていきます。

 

この港も、そんな場所のうちのひとつ。エサやりの漁師さんが手術をしないままだったので30匹くらいまで増えてしまいました。

 

この写真は、2019年の10月下旬のものです。

　

　　　

私が近づくと、エサをもらおうとたくさんの猫たちが出てきてくれました。写真の端には、まだよちよちと歩く子猫の姿も、、、

子猫を産んだばかりの母猫もいました。母猫は特に警戒する子が多いですが、近づいてカメラを向けても逃げず、人に慣れていました。

　　　　

（ここの猫たちは全頭、後に集団TNRで避妊去勢手術を受けました）

 

この港で、2ヶ月後の12月にある猫をレスキューしました。

この写真の子です。

　　　

　　　　

なんと、このチョビひげの子が真冬の海に落ちてしまったのです。

足場が悪く踏み外したのか、ノミダニと栄養失調でふらふらだったのか、停泊してる船に飛び乗る子もいるようなのでその時に落ちたのか、理由は分かりません。

この子のすごいところは、自力で堤防に這い上がっていました。海でもがいて体力も使い果たしたのでしょう。そのまま倒れ、半乾きで仮死状態でいるところをレスキューしたのです。駆けつけるのがあともう少し遅かったら、体温は下がり命はなかったでしょう。

 

毎日エサをやっている人も瀕死の状態を見ているのですが、病院に連れて行くなどは無く、海に落ちてかわいそうと他人ごとのように言い放ち、船に乗って漁に出て行きました。

私はその子を抱きかかえ、動物病院に直行、そのまま即入院。入院は長引き、回復するまで2週間もかかりました。

 

そして、我が家の保護猫ルームへ仲間入りです。入院している間に検査もできました。猫エイズも猫白血病も陰性でした。

 

名前はもちろん、「海ちゃん」。

 

　　　　

野良のときと、だいぶ表情が違いませんか？

海ちゃんは甘え上手、私が猫部屋のモップ掃除をしようとすると必ずこうして邪魔しに来ます。オスで推定2歳くらいですが、性格はまだまだ甘えたい子猫のようです。人が大好きで足元でスリスリ、膝に乗ってきます。

 

　　　　

今回のクラウドファンディングで、海ちゃんも去勢手術できます。保護当時は過度の栄養失調で痩せていて、数カ月経っても太れずにいたので手術のタイミングを見計らっていました。我が家にいる保護猫で、大人の保護猫で手術できてないのは、海ちゃんだけです。

 

　　　　

 

海ちゃん、オス、推定2歳くらい、性格は超温厚、人が大好きです。初めて猫を飼うお家にもおすすめできます。里親さんを募集しています。奇跡の生還を果たした海ちゃんにも早く幸せが舞い込んでくることを切に願っています。