飛騨の保護猫たちに、医療の拠点ができました──新たなスタートをご支援ありがとうございます

【活動報告】

こんにちは。たんぽぽキャットクリニック院長、そしてこのたび「ネコリパほごねこクリニック飛騨」院長も兼任することになりました、椿です。

 

今回の活動報告では、すでにネコリパブリック代表の河瀬さんや、たんぽぽの里代表・石丸さんからもお伝えしている通り、2025年3月に新たにスタートした「ネコリパほごねこクリニック飛騨」での取り組みについて、医療現場を担当する立場から改めてお話させていただきます。

 

🏥 治療も手術もできる“現場のクリニック”を飛騨に

飛騨市は保護猫活動にとても力を入れている地域です。これまでも地域の動物病院の先生方のご協力により、たくさんの猫たちが命をつないできましたが、ネコリパブリックとして「飛騨で保護した猫たちを、飛騨の中で安定的に治療・手術できる専用の拠点を持ちたい」という想いがありました。

そんな中、2024年11月に私とたんぽぽのスタッフで飛騨のネコリパ施設を訪問した際、施設内の一室を見て「ここで手術できそうだね」と話したことから、計画が一気に動き出しました。

代表の河瀬さんと「やりましょう」と意気投合し、すぐに工事がスタート。2025年2月に無事に開設届を提出し、3月には開業というスピード展開で「ネコリパほごねこクリニック飛騨」が誕生しました。

✂️ 3月の訪問で、保護猫32頭に避妊去勢手術を実施

開設後初めてとなる現地診療では、3日間で32頭の保護猫に避妊去勢手術を行いました。飛騨で保護された猫たちはもちろん、能登の被災地から岐阜のシェルターに保護された猫たちも、今回の手術を受けています。

このクリニックでは、「保護猫だから」という最低限の医療ではなく、どの猫にも安心・安全な手術を提供できるよう、術中のモニタリング体制と術後の疼痛管理を徹底し、十分な回復環境を整えています。

術後の猫たちは静かに休みながら、少しずつ回復していく姿を見せてくれました。まだ設備は最小限ではあるものの、清潔で落ち着いた空間で、無事に処置を終えられたことに大きな手応えを感じています。

 

今後は、月に1回のペースで定期的に訪問し、避妊去勢手術と医療支援を継続していく予定です。

 

🐾 「地域に猫の医療拠点があること」の大きな意味

飛騨のように山間地域では、保護猫を診察・手術できる施設が近くにないことが大きな課題でした。今回のクリニック開設によって、移動の負担なくその場で医療を届けられる環境が整ったことは、猫にも保護主さんにも本当に大きな変化です。

命を救うには「その場にある医療」が不可欠です。そしてその医療を支えてくれているのが、クラウドファンディングを通じて応援してくださる皆さまです。

💬 ご支援への感謝と、これからの歩み

飛騨での避妊去勢手術を通して、支援の力がどれほど現場で役立っているかをあらためて実感しました。痛みを抱えていた猫が、術後に落ち着いて眠る姿。こうした光景は、皆さまのご支援なくしては見られなかったものです。

 

引き続き、「飛騨に根ざした猫の医療拠点」として、この場所から1匹でも多くの命を救っていきたいと考えています。

 

そして今回のクラウドファンディングでは、さらに一歩進んだ取り組みとして「移動動物病院＝レスキューカー」の導入を目指しています。

 

能登半島地震の被災地では、設備のない過酷な環境下で治療や手術を余儀なくされました。本来なら血液検査や画像検査、入院や緊急処置が必要だった猫たちにも、十分な医療が行き届かないという現実がありました。

 

今、私たちはその教訓を活かし、災害時でも迅速かつ柔軟に対応できる「命をつなぐレスキューカー」の実現に挑戦しています。

 

このプロジェクトは、皆さまのご支援なくしては進められません。飛騨の猫たち、そして未来の災害で苦しむ猫たちを守るために、どうか力をお貸しください。

皆さまの温かいお気持ちが、猫たちの未来に確かな光をもたらします。