天王寺動物園の挑戦が始まりました

 

ついに始まりました、天王寺動物園クラウドファンディングへの挑戦！！

 

現在、開始からまだ数時間しか経過していないにもかかわらず、続々とご支援の声をいただき、大変ありがたく思っております。

今回はアイファー『日本の自然』エリアのリニューアルを目指しており、１stゴールはニホンイシガメのための『中洲』水槽づくりです。

正直なところ、準備する中で、ニホンイシガメという動物に関する挑戦を最初に選んだことについて、地味ではないか？とか、本当にこんなにご支援がいただけるだろうか？と内部でもいろいろな意見があり、不安な日々を過ごしておりました。

もちろん、ニホンイシガメを選んだことには、きちんと理由があります。

 

それは、このクラウドファンディングのプロジェクトは「天王寺動物園が、これから日本の生き物たちの保全活動に真剣に取り組んでいきます」ということの決意表明の場でもあると考えているからです。

 

これまで、天王寺動物園では、動物園の重要な役割として、種の保存に取り組んできました。ここ数年でも、ホッキョクグマ、フンボルトペンギン、チュウゴクワニトカゲやホウシャガメといった絶滅危惧種の繁殖に成功しています。

 

これらもれっきとした保全活動であり、このように本来の生息域の外側で行う保全活動ということで、“域外保全”と呼ばれています。

ニホンイシガメが、これらの絶滅危惧種と違う点は、本来日本で暮らしている日本固有種であることです。

日本の動物は、当然ながら日本にいる私たちが護っていかなければ、危機的状況を変えることができません。つまり、ニホンイシガメを護るために、私たちがしないといけないことは、動物園の中で行う“域外保全”に留まらず、生息地そのものを護っていく“域内保全”、そして、この事実を発信し、たくさんの方に知っていただく“保全教育”です。

 

ニホンイシガメは大阪でも数十年前までは当たり前のように川や池で見かけた、とても身近な生き物でした。当時は、カメといえば、「ニホンイシガメ」だったのです。しかし、年々その数を減らし、多くの方にとって、ニホンイシガメは身近な存在ではなくなってしまいました。おそらく、今の子供たちに、身近なカメは？と聞けば、ミシシッピアカミミガメやクサガメといった外来種や移入種の名前や特徴が出てくることでしょう。

 

今回、リニューアルを目指すアイファーは、その中でも“域外保全”と“保全教育”の役割を担う場です。

現在屋上には大きなタンクを設置し、域外保全に向けての取り組みを行っています。

※写真は、天王寺動物園で昨年生まれたニホンイシガメの子どもたちです。こんな小さな姿でも、魅力がたくさん詰まっています。

 

対して、展示スペースは、“保全教育”の拠点ともいえる場所ですが、今のアイファーは、ニホンイシガメについての保全教育活動を行うことに適した場所とは言えない状態にあります。

 

そこで、今回クラウドファンディングの取り組みによって、教育の場に適したものとなるよう、リニューアルを行うことにいたしました。

この取り組みに必要なお金は、決して安い金額ではなく、まだまだ不安だらけです。

しかし、この保全への想いを胸に、精一杯頑張りたいと思っていますので、みなさま、どうかご支援をいただけますと幸いです。