反面教師の意味

　韓国カワウソ研究センターで飼育されている幼獣。
　韓国内で保護されたカワウソは、みんなこの施設に運ばれてくる。野生で生きていけるようにリハビリできた個体は自然に放獣する、そうでない個体は研究センターの繁殖個体にしたり、動物園に行く。

　かつて、８０年代後半の高知県でもこうした幼獣が保護された。
保護した人はどこに連絡したらいいかわからず、電話をさんざんたらいまわしにされた挙句「すぐに放しなさい！　カワウソは特別天然記念物なのだから、保護しただけであなたが罪を問われますよ！」と叱られた･･･行政も野生動物を煩わしいと思っており、なるべく関わりたくないのだ。
　善意で保護した人も、「･･･おそらく生きてはいけないだろうな」と思いながらも、しぶしぶ放したという。

　サンフン先生の言う「日本を反面教師にする」というのはこういうことだ。
韓国では、保護すると褒められる･･･片や日本では叱られる。
　これは受け入れる施設があるかどうかというハードの問題だけではなく、日本人の心の余裕（ソフト）の問題ではないだろうか？
　

　幸い対馬には「野生生物研究センター」が２か所ある。保護されたカワウソの幼獣をおろそかにはすまい。

　そういう意味でも、カワウソは、よくぞ対馬で再発見された！と思うのだ。