Dignity Kit

UN Womenの生理の貧困に関する活動の中心はディグニティーキットの配布です。

ディグニティーキットは自然災害や紛争で避難を余儀なくされた人たちに、避難所で配られる日用品のセットで、苦境にあっても人間としての尊厳を保つために必要なものが入っています。ひとつの値段は中身にもよりますが5千円前後が中心です。

 

UN Women

ご覧のようにUN Womenはキットの中にかならず生理用品を入れています。女性の視点を入れた支援をいつも心掛けているからです。

 

皆様もこんな経験をしたことはないでしょうか。

旅行に発つときに全部パックしたつもりでも忘れ物をしてしまった、さらにそれが生理用品であった、ということ。または旅行中に生理になってしまった、ということが。

どんなに困るか、どんなにパニックになるか、想像してみてください。

ですが私たちは幸いなことに、忘れ物があったとしても現地で買うという選択肢があります。避難所の女性達にはその選択はないのです。

 

-緊急事態が発生し、必要最低限のものだけを背負って家、さらに国をも捨てて逃げなくてはならなくなったら？-

-「買えば良い」その選択肢さえなくなってしまったら？-

UN Womenの活動を始める前にはこんなことは考えたこともありませんでした。今では戦争や災害のニュースを見るたびにこのことを思います。もし自分がそのような状況に陥り何も持っていない中でもし生理が始まったらどうでしょう。どのようにして清潔な状態を保てるでしょう。何よりもどのように自分の尊厳を守れるでしょうか。

 

戦争や災害の真っただ中にいる多くの女性・少女達はまさにこのような現実に直面しているのです。

 

戦争や災害から逃げる時には何を持って逃げようなどと考える時間もなく、生活・人生が一瞬にして変わってしまうのです。制度やインフラが破壊され、立ち退きを余儀なくされたり、負傷したり、さらには命の危険にさらされることもあります。

このような危機状況にある時、女性・少女特有のニーズはしばしば無視されたり、忘れ去られたりします。その結果女性・少女は生き延びるために最低限必要なものさえ手に入らなくなるのです。

 

緊急事態が発生すると、UN Womenは現場に駆け付けて、ディグニティーキット(尊厳を保つために必要な生活必需品)を配ります。キットには、冒頭の写真にあるように生理用品、石鹸、バブラシ、練歯磨き、下着、懐中電灯などが入っています。

 

 

 

次回以降、実際にディグニティーキットが様々な国、様々な状況で配られた4つの事例をお伝えいたします。