エピソード２

堕胎をしない、母猫も仔猫も保護をする。

そのきっかけになったもう一つは、まだ野良猫の保護を考えていない時の一つの出来事でした。

活動報告のこのページを使ってですが、私たちの活動のきっかけを知って頂きたいと思い、まず保護担当の話から書かせて頂いています。

深夜、猫の異様な鳴き声に外に出ると、道路で車に轢かれた仔猫が横たわっていました。そのそばには、母猫が仔猫に顔をくっつけて・・・・・

段ボールに子猫を入れて、朝になれば火葬場に連れて行こうと思いましたが、母猫はその場から離れない。そして、オス猫（父親？）がそこに現れ、２匹で話をするように鼻をくっつけている。

仔猫の血の跡が残っているその前に２匹が並んで座り、暗闇の中、遠くを見つめている光景は、今でも忘れることができません。

あまりに動かないので、仔猫を入れた段ボールを持ってきて２匹の前に置くと段ボールに顔を突っ込んで仔猫を見ている。

道路の真ん中では危ないので、段ボールを移動させると２匹はついてきて、段ボールの横に座り長い時間動かない。１時間はすぎ、もういい？お別れはできた？

そう声をかけて、段ボールを移動させました。

その後も２匹は並んで空を見上げて長い時間動かず座っていました。

その２匹がその後どれくらいそこにいたのかはわかりません。

母猫と父猫？は出産した場所から、仔猫が動き出したので安全な場所に移動させていたようです。朝には、道路に面していないお庭がある場所で、仔猫と、母猫、父猫？の姿がありました。

亡くなったこの兄弟と思われる数匹の猫が母猫の周りをくるくる回り、少し高い石の上で父猫が様子を見守っている。

その家族の姿は微笑ましく、感動しました。

その後も、母猫と父猫が仔猫が亡くなった、まだ血の跡が残っている道路でその場所に鼻を突けている姿を数回見ました。

仔猫と母猫、父猫がその後に微笑ましく遊んでいる姿の写真はあるのですが、住宅地の庭ですので掲載はできません。

ただ、母猫が授乳しながら、仔猫がちょこちょこ遊ぶ様子を、周囲をみながら見守っている父猫。母猫が眠っているときに父猫のそばで遊んでいる仔猫。

私は猫の生態に詳しいわけではないですし、動物学的にはどうなのかわかりませんが、その様子に猫の子供を育てる偉大さを感じずにはいられませんでした。

野良猫という過酷な環境で、数匹の子供を妊娠し、出産して育てる。本能だけではなく、そこにはしっかりとした仔猫への愛情があると気づかされた出来事でした。父猫の家族を見守る姿にもびっくりしました。

ベランダからその庭を見るたびにその光景を目にし、この環境をもっとよくしたい。仔猫も、母猫も、父猫も、おなかの赤ちゃんも守りたい。

小さな小さな命を繋ぐことができたら・・・・・・

堕胎をしない、赤ちゃんも、母猫も保護をする。

そんな気持ちで、手探りで始めた時、残される猫がいないように、事前調査をして、１匹残らず捕獲していた捕獲担当と知り合い、２人の活動が始まりました。