
支援総額
目標金額 800,000円
- 支援者
- 95人
- 募集終了日
- 2023年3月6日
畑で暮らす黒猫のお話(その4)

寒さの厳しい山の中で暮らすハタケーズのため、私は手作りの寝床ボックスを畑の持ち主さんに頼んで置かせてもらうことにしました。
幸いにも寝床ボックスはハタケーズから好評で、みんなで仲良く使ってくれていました。
市街地に住む猫たちと違ってハタケーズには寒さを凌ぐ場所が少ないため、寝床ボックスを設置できたのは本当に有難いことです。
そして、厳しい冬が無事に過ぎていき、やがて春がやってきました。
この頃にはハタケーズの6匹とはすっかり顔馴染みになっており、私が深夜に畑に着くとご飯を食べに集まってくるようになっていました。
そしてハタケーズの面々もお互いに仲良しだったのですが、メス同士に限ってはあまり相性が良くないようでした。
例えば、ミルク・アクオス・ともくんのオス3匹はいつも身体を擦り合わせるほど仲良しで、さらにメスの空歌ちゃんはミルク・アクオス・ともくんのオス3匹が大好きです。
空歌ちゃんはともくんが大好きだった。
これに対して、メスの空歌ちゃん・とんちゃん・わさびちゃんは、どうも性格が合わないようで、近くで一緒にご飯を食べるのも抵抗があるようでした。
つまり、オス同士は仲良し、オスとメスも仲良し、メス同士だけは仲良くない、という構図になっていました。
また、メスのとんちゃんはハタケーズの中では一番弱い立場なうえに、人間に対して強い警戒心を持っているようで、私がハタケーズにご飯をあげている時でも1匹だけ離れた場所でポツンと佇んでいるのです。
とんちゃんもお腹を空かせているはずなのに、ひとり離れた場所でハタケーズがご飯を食べている姿を見つめながら、じっと健気に待つ姿はとても悲しい光景でした。
他の子より警戒心が強い子だった。
そのため、私はいつも離れた場所で待っているとんちゃんには、ハタケーズとは別のご飯を作ってあげていました。
本当ならとんちゃんもハタケーズの一員として一緒にご飯を食べてくれると良いのですが、とんちゃんの性格や猫同士の相性もあるので、ひとりだけ別でご飯を食べるのは仕方のないことかもしれません。
そんなある日、いつものようにハタケーズにご飯をあげていたところ、ミルクがご飯を食べずに姿を消してしまったのです。
ミルクはハタケーズで一番の食いしん坊で、空歌ちゃんやわざびちゃんが残したご飯まで平らげるほどの食欲なのに、ご飯を見て食べずに帰ってしまうのは一大事です。
隣にいるのは空歌ちゃん。
私は心配になって、ミルクの後を追ってみました。
しばらくすると、ミルクは畑の物陰から1匹の猫を連れて戻ってきました。
なんと、ミルクが連れてきた猫は、いつも独りぼっちのとんちゃんだったのです。
とんちゃんはミルクの大きな身体の後ろを隠れるように、ゆっくりと付いてきていました。
そこで、私はミルクととんちゃんに2つのご飯を置いてみると、仲良く2匹で並んでご飯を食べはじめました。
おそらく、とんちゃんがハタケーズの仲間に入れるように、ミルクが説得して連れてきてくれたのでしょう。
この頃を境にして、次第にとんちゃんはハタケーズとの距離が縮まり、やがて一緒にご飯を食べるようになりました。
みんなの輪に入ってご飯を食べるようになった。
私はミルクがボスとして他の猫に慕われている理由が、良く分かったような気がしました。
とんちゃん以外のハタケーズの4匹もミルクがいるからこそ、厳しい環境の畑に住みついているのかもしれません。
その後、少しずつ汗ばむような初夏の時期を迎えたころ、ミルクとアクオスの顔と耳に再び脱毛の症状が現れてしまったのです。
確実な治療法が無いのは前年の診察で判明済みですので、今回は駆虫薬を用いて対処することにしました。
※特定を避けるため画像を加工しています。
ここで問題になるのが、アクオスへの投薬です。
ミルクは身体に触れるのでスポットタイプの駆虫薬を投薬できるのですが、アクオスは一切触れないためスポットタイプの投薬は不可能でした。
しかし、駆虫薬を投薬する目的だけで、わざわざアクオスを捕獲機にかけるのは可哀想です。
そこで仕方なく、アクオスには経口タイプの駆虫薬を投薬することにしました。
経口タイプの駆虫薬はスポットタイプと比べると効果が弱く、しかも値段が高いという難点があります。
そのため、アクオスの投薬に関して少し悩みましたが、何もしないよりは経口タイプの駆虫薬を投薬する方が、幾分はアクオスの症状が和らぐかもしれません。
私は経口タイプの駆虫薬を急いで取り寄せて、4月から9月までは1か月に1度のペースでアクオスに投薬することにしました。
投薬の効果についてですが、本当に気持ち程度に効果があるように感じられました。
ただ、ハタケーズは虫が多い山の中で暮らしているため、定期的に駆虫薬を投薬するのは健康のためにも良いことです。
そして、10月になり涼しくなってくると、ミルクとアクオスの症状は前年同様に落ち着いてきました。
原因が分からない症状で色々と不安はありましたが、ミルクとアクオスが自然治癒してくれたことに安堵するのと同時に、猫の持つ回復力の強さに驚かされるのでした。
顔や耳の症状は落ち着いたようだった。
その後、11月下旬を過ぎて寒さが厳しく感じられるようになった頃、私は寝床ボックスの掃除と中の毛布や断熱シートの交換作業をすることにしました。
深夜に真っ暗闇の中で苦戦しながら寝床ボックスの準備を済ませると、さっそくハタケーズは中に入ってくれました。
そして、ハタケーズは寝床ボックスを活用しながら、厳しい冬を小さな身体で見事に乗り越えてくれたのです。
この日はとんちゃんだけいなかった。
こうして、私がハタケーズのお世話をするようになって2年が経ちました。
2020年も変わらず週に1度のペースで深夜のお世話にでかけていたのですが、5月の中旬くらいからミルクの姿が見えなくなってしまいました。
ミルクはハタケーズの中でも出席率が良い方ですので、姿を確認できないのは少し心配です。
ただ、私は週に1度しかハタケーズのお世話に行っていないため、たまたまミルクがご飯を食べに来るタイミングと合っていないだけの可能性があります。
そんなことを考えていたある日、私が猫のお世話に出掛けている畑とは別の餌場で、ミルクにそっくりな猫を見かけたのです。
(つづく)
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