なぜ、勉強しなければいけないの

学習塾をしていると、子どもから「なぜ、勉強しなければいけないの」と聞かれます。正直に言って、私が本当に勉強したのは働くようになってからです。どういう訳か、とりあえず受けた国家公務員試験に合格し、通商産業省の大阪通商産業局（当時）に入局しました。陸運局や建設局、神戸税関からもお誘いがあったのですが、一番早くお誘いがあったところにしました。電気用品取締法という許認可業務の担当からスタートし、約二年ごとに異動しながら様々な仕事をさせてもらいました。このままでは、いけないと神戸大学経済学部の二課程に入学し、寝る間を惜しんで勉強し、部活もしながら無事卒業しました。神戸のお風呂なしの安アパートに住んでいたのですが、銭湯に行くと、いつも終わりかけの時間で、タイルをごしごし洗っている横で、くたびれたお湯に入浴する日々でした。高校卒業時70キロあった体重は、大学卒業時は５０キロになっていました。自分で学費と生活費を稼ぎ、社会人と学生の両立は正直とても大変でしたが、やり遂げたことは私の大きな誇りです。卒業後は、激務の部署に回されることも多く、英語ができないのに、大阪で開催されたAPECの事務方として外務省出向などもありました。本当に知識が必要になるのは、働き出してからです。英語では本当に苦労しました。人生何が起こるか正直わかりません。その時のために、準備しておく必要があります。そして、「いま勉強しておくと、きっと役に立つ時がくるよ」と子どもたちに伝えています。しかし、人間その時にならないと、なかなかわからないですよね。

（電車通勤中に英単語の勉強をしていた当時のTOEICの単語本です。書いて覚えていたので、1冊目はぼろぼろになり、これは2冊目でした）