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2025年06月23日 12:19

カンボジアの貧困状態についてのレポート

皆様、毎月のご支援を賜り、大変にありがとうございます。

 

カンボジアは近年、とりわけ2010年~20年にかけて目覚ましい経済成長を遂げており、貧困率は大幅に改善されていますが、依然として課題が多く残されています。

 

そこで、現在のカンボジアにおける貧困状態についてまとめてみましたので、お読みください。

 

1. 貧困率の現状と推移

  • (1)大幅な改善
  •  
  •  国連開発計画(UNDP)の2023年7月の報告書によると、カンボジアの貧困率は2014年の36.7%から2022年には16.6%にまで減少しました。これにより、貧困人口は560万人から280万人へと半減し、約7.5年で5人に1人が貧困から抜け出したとされています。
  •  とはいっても、内戦終了時(1990年代)のカンボジアはアセアン諸国でも最貧困国と言われていましたので、その当時の生活と比べてのことになります。
  •  実際には、生活者としてみていれば、私の家の周囲にも、ごみをあさって生活する世帯がたくさん存在しているのが現状です。
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  • (2)経済成長が要因
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  •  この貧困削減は、1998年から2019年にかけて平均で7%を超える急速な経済成長が主な要因とされています。この経済成長は、いわば外国資本の投資・投機による数値的なものであり、都市部で土地バブルがおこり安易な不動産取引で小金を得た人々が多く、彼らの実質的な生活が改善されたとは到底感じえないのが実情なのです。
  •  
  • (3)多次元貧困
  •  
  •  2018年のデータでは、カンボジア全体の多次元貧困率は34.9%であり、これは、教育、健康、生活水準などの複数の側面から貧困状態を捉えています。
  •  多次元というのは、収入のことだけではありません。教育的貧困、医療的貧困などを含めた総合的な意味を指します。
  •  お金があっても、学校教育が物質的にも質的にもお粗末であれば、ぞのましい教育を受けることがままなりませんし、将来の仕事につながるべき資質も持たないまま成人することで、決して持続的な貧困からは抜け出せません。
  •  また、地方部では病気になってもクリニックが存在しなかったり、無保険ゆえに高額な医療費を請求されたりすることなどで、医療をまともに受けられないことにも多次元貧困の示すところです。

2. 貧困層の生活状況と地域格差

カンボジアの貧困問題の中核には、特に都市部と農村部の経済格差が存在しています。

 

  • (1)農村部に集中する貧困
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  •  カンボジアの貧困層の大部分(80%以上)は農村部に居住しており、経済発展の恩恵を十分に受けられていません。2018年の多次元貧困率では、都市部が7.2%に対し、地方では40.2%と、農村部の半数近くが深刻な貧困状態にあることが示されています。
  •  旅行者や短期滞在者は、1週間ほどでプノンペン中心部とシェムリアップの遺跡観光をして帰るだけで、カンボジアを見た気になるかもしれませんが、それは決してカンボジアの本当の姿ではありません。
  •  地方部において、道路の奥深くの部落まで入り込んでこそ、本当の人々の生活ぶりがわかります。

 

  • (2)農業への依存
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  •  農村部の住民は農業に従事していることが多く、季節によっては仕事がなくなり、収入が不安定になることがあります。
  •  「外国資本の工場への就業」、「隣国タイへの出稼ぎ」などができる場合には、まだよい方ですが、それさえもままならない過疎地での本当の貧困が数多く存在しています。
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  • カンボジアの工場労働者の悲運

 

  • (3)教育・医療サービスの不足
  •  
  •  特に農村部では、教育や医療サービスへのアクセスが限られており、多くの子どもたちが学校に行けずに働かざるを得ない状況や、栄養不良、衛生環境の悪さといった問題に直面しています。乳幼児死亡率も依然として高い水準にあります。
  •  コンポンスプー州にいる小児まひのタイナちゃんの例を、以前HPにてレポートさせていただきましたが、ポリオ等のワクチン未接種の児童がたくさんおり、一生障害を負って生活する例も見受けられます。
  •  以前、貧困支援で訪れた世帯のお母さんは、母子感染によるAIDSでした。浅薄な医療知識のまま、適切な医療処置を施せないで発症して、命を失っていくケースが数多くある実態を知っていただきたいのです。
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  • (4)都市部の貧困
  •  
  •  都市部でも貧困は存在し、特に非正規雇用(家事労働者、バイクタクシー運転手、建設現場労働者、小規模街頭商売人など)に従事する世帯で貧困率が高い傾向にあります。強制的な立ち退きなどにより、さらに劣悪な環境に陥る人々もいます。
  •  
  •  実際に、首都プノンペンにも未だに200を超えるスラム街があるといわれています。私の支援するYouth Advanced Deveropmentというスラムの子どもたちを支援する団体の指導教室の道路を隔てた反対側に、巨大なショッピングモールが経っているのを見るにつけ、カンボジアの光と影を見ている思いがしています。
  •  また、英語の支援に入っているシェムリアップ州のRunTaek地区は、ニュータウンという呼ばれ聞こえはいいのですが、アンコール遺跡周辺に長く住む極貧世帯の居住者10,000人をわずかなお金で強制移住させられた人々が住んでいるエリアです。
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  • (5)児童労働・人身売買
  •  
  •  農村部を中心に、貧困が原因でストリートチルドレン、児童労働、人身売買といった問題が後を絶たない状況です。
  •  
  •  貧困を理由とした義務教育の放棄は、児童労働と密接につながっています。
  •  
  • 3. 貧困削減に向けた取り組みと課題

  •  

カンボジア政府は貧困削減を重要な目標として掲げ、様々な政策と国際協力による支援が進められています。

 

  • (1)五角戦略とIDプアカード
  •  
  •  政府は貧困削減政策「五角戦略」の一環として、貧困層支援制度「IDプアカード(貧困識別カード)」を運用しており、医療費支援、現金給付、奨学金、就労支援など多角的な対策が実施されています。2024年には約8億ドルの予算が投じられています。
  •  私たちの行うマンスリーサポートも、このIDプアカードによる受給者は、除外していているのは、皆様にもお伝えした通りです。とはいいましても、受給額は我々のサポート金額の半分ほどで、それゆえに、マンスリーサポートへの希望者が多いという皮肉な現実があります。
  •  
  • (2)不正受給の問題
  •  
  •  しかし、IDプアカードの運用においては、一部で不正受給の問題が指摘されており、真に困窮する世帯が支援から排除される一方で、経済的に余裕のある人々が恩恵を受けている現状があり、選定基準の見直しが課題となっています。これは、生活保護の不正受給などで日本でも同様の問題がありますね。
  •  
  • (3)農業分野への支援
  •  
  •  カンボジアの貧困層の大部分が農村部に居住していることから、農業分野への支援が重要視されています。換金作物の生産促進、農外活動の拡大、農業インフラの整備(道路、灌漑)、高収穫種子の普及、農業信用の強化などが挙げられます。持続可能な農業生産基盤の普及事業なども進められています。
  •  現在取り組んでいるPreychum孤児院におけるビニルハウスによる自給自足を目指す取り組みが、近隣の地域への望ましい農業モデルとして波及効果を望むところですが、地域の人々が、カンボジアの厳しい自然や天候下で、確実な農産物の生産を維持するのは多くの困難がありますし、その設備投資資金を確保することにも難題が待ち受けています。
  •  
  • (4)教育の改善
  •  
  •  初等教育の中途退学者の多さや中等教育への就学率の低さが課題であり、学校給食の導入や教師の育成、障がいを持つ子どもの学習支援など、教育環境の改善に向けた取り組みが進められています。
  •  例えば、教育の継続には、背景には必ず貧困が存在しているのですが、居住地別の義務教育のドロップアウト率は、都市部で小学校3%・中学校29%に対し、農村部では小学校8%・中学校44%です。(2014年資料)
  •  中学校を卒業しないで退学する生徒が全就学人口の約半数であることが、カンボジアの教育の大きな問題点として挙げられます。
  •  
  • (5)水と衛生
  •  
  •  農村部では衛生的なトイレの設置や安全な水の利用が難しい地域が多く、給水設備の整備や衛生習慣の定着化に向けた支援が行われています。
  •  我々も、学校や施設において、必要に応じてトイレや水道設備の設置を支援してまいりましたが、出来ることは目の前の小さなことのみで、まさにこれは太平洋に小石を投げるようなものだと形容させていただいております。
  •  
  • (6)過去の影響
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  •  ポル・ポト政権下の内戦や虐殺は、カンボジアの貧困に大きな影響を与え続けています。知識層の虐殺による深刻な人材不足、インフラの破壊、コミュニティの崩壊などが、現在の貧困問題の根底にあると考えられています。
  •  この大きな歴史的な問題は、なかったことにしたい政府や人々の思惑とは別に、決してそうできない現実とに大きな開きが未だにあるように感じます。
  •  
  • (7)所得格差の拡大
  •  
  •  経済成長が続く一方で、富裕層と貧困層の所得格差は依然として大きく、特に都市部と地方の格差が根強く残っていることが課題です。
  •  首都プノンペンと地方部では、生活インフラ・所得・教育・医療面などで、大きな隔たりがあります。それは、目で見ればわかる通り、別の世界を見ているようでもあります。実は、プノンペンで進むインフレーションの現実から、所得が高くても、暮らしは安易ではないことも付け加えておきます。
  •  近年、急激にすすんだ円安で、日本人旅行者も影を潜め、在留者も続々帰国撤退しています。(反対に日本に旅行者が集まってきている現実が皮肉なことです。)

まとめ

 カンボジアは、過去数十年の急速な経済成長により貧困率を大幅に削減することに成功しました。しかし、その恩恵は地域によって偏りがあり、特に農村部では依然として深刻な貧困問題が残されています。教育、医療、衛生環境へのアクセス改善、農業セクターの活性化、そして透明性の高い貧困支援制度の運用が、今後のカンボジアの貧困削減において重要な鍵となります。

 

 先日、あるご支援者からマンスリーサポートがどのくらい効果があるかと問われました。私は、毎月の奨学金を確実に届けさせていただいておりますが、このくらいのお金で貧困から脱出できるとは到底思えません。

 

 しかし、これを継続していることで、貧困から抜け出せない人々がエンカレッジを受け、健康を維持して学校に通い続けていられる事実こそが、その最大の効果であると申し上げさせていただきます。ドロップアウトをせずに最低限、義務教育(9年生まで)を修了してもらいたい・・・、この願い一点で支援は継続されていきます。

 

 よく、貧困者への支援は、彼らの主体性を奪うからやめた方が良いという声を聴きます。この意見は、一理あり、もっともだとも思います。 

 

 しかし、貧困には、相対的貧困と絶対的貧困があります。日本の貧困者は、相対的貧困者といわれます。他者と比べて収入が少ないというもので、いざとなれば国からの結構な額の生活援助も受けられます。

 

 対して、我々のサポート対象者は絶対的貧困者です。それは、抜け出しようのない貧困であり、政府からの援助も皆無です。

 

 我々のマンスリー支援が、彼らの自主努力を蝕んでいるわけではありませんし、怠け者を作り出しているわけではありません。彼らも日々の糧を得るために精一杯生活しているのです。ただ、それが病気で家を出られない状態であったり、働いても1日数ドルにしかならなかったり、無収入の日があったりという現実があるのです。

 

 ご支援いただいている皆様にも、これらの点をご理解いただけましたら幸いです。

 

 皆様からの支援が彼らにどれだけの生きる力を与えられているかは、私がしっかりと感じて受け止めながら継続をさせていただいております。

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↓ボランティアへの参加に興味のある方はこちらをお読みください。

【カンボジア留学 / 1か月の価値ある体験】「ボランティア大学」入校者募集中

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【ピンポイントで届く支援】子どもたちに光を当ててあげたい

 

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