イブキのこと

とても具合が悪そうな、ずっと横たわり動くことも難しそうな男の子が周南健康福祉センターに収容されていました。

見るからに覇気がなく、体はぐったりとし起き上がることも難しく力が入らない状態でした。

引き出してすぐに病院に連れて行き検査してもらいました。

その際、普通であれば腎臓は2つ機能していないといけない。ところが先生のご説明では、1つは白く映り全く機能していなく、とても重症だと説明を聞きました。安全な状態ではなく、目が離せない状態だと判断し、スタッフにも状況説明し、そこからみんなでイブキを見守る毎日がスタートしました。

毎日毎朝イブキは生きているのか、とても気になるところで、今日はご飯を食べた、今日はご飯を食べなかった、ご飯は食べたけれど、元気がない。まだ立ち上がれない。

そんな状況が半月ぐらい続いていました。

ある日の朝、イブキが立ち上がっている...ただそれだけの変化がある。それだけでみんなでどれだけ喜んだことか...そこから回復の兆しが見え始めたのでした✨

 

再度検査に行った際はイブキに奇跡が起こり、今まで片方の腎臓が動いていませんでしたが、動かなくなっていた腎臓も動き出すところまで元気に回復し、その時はかかりつけ医の先生もとっても驚いていらっしゃった事皆で喜びとてもうれしかったこと。今でも覚えています。

かろうじて生きていたイブキが食欲が増し立ち上がり、病状も良くなっていることに本当にスタッフみんなで喜び、イブキをどれだけいとおしく思っていたのか、我が家族のように嬉しい気持ちでいっぱいでした。

それから数ヶ月後のある日の朝、おしっこの出が少し悪いようです、夕方お世話に行った際、嘔吐がありとてもぐったりしている、と報告を受け、ただごとではないと感じ日曜日の夕方既に17時半を回っていましたがすぐに遠方の病院までその日のスタッフさんお2人に病院受診をお願いしすぐ様連れて行ってもらいました。

他の子たちのお世話は、私たちが入り病院から帰ってくるのを夜遅くなりましたが、ずっと待っていました、、

病院から戻り病状は原因不明。病院から戻ってきた際は急遽作って下さった犬舎の中に厚めの毛布ひき、そこに入ってゆっくりしてもらいました。立ち上がり顔をこっちにも向けていたので、このまま回復するだろうと安心して居ました。

 

しかし、次の日の朝イブキは倒れて亡くなってしまっていました。

昨夜のイブキは立ち上がり容体も良くなっていたはず。どうしてだろう、病院に連れて行かないほうがよかったのか、いや連れて行かないといけなかったと思うなど後悔もしましたが、もうイブキは帰ってきません。

センターから引き出し保護した際はとても弱々しくやっと元気になり、同じ部屋のおとなしい子とも喧嘩もすることもなく、仲良く過ごし食いしん坊でガリガリだった。体もどんどんふくよかになり、おやつを持っていけば目の色が変わり、お部屋の中でも1番におやつを要求するまでに回復し、支援者の方にもたくさん心配していただき、肝臓用のフードや缶詰もいただくことができ順調に回復していきました！

本当に気の優しい賢い男の子でした。

やっと元気になり、今から優しい里親さんのところに行けるとみんなで信じていたのに。本当に本当に残念でなりません。

野に生まれ過酷な状況の中。もともと元気な子でさえ弱い子はご飯も食べれない状況が続き、水も飲むことができず、不衛生な水を探し求め飲み、やっと命をつなぎとめてきた。生きていることが奇跡だった。

野犬の子。

幸せになったらダメですか？

愛されることさえ無理なお願いですか？

たとえ不幸な状況の中で生まれた子たちでも私は笑顔にしたい生きてきてよかった。幸せになれて、愛され、嬉しいと感じることができる日がどの子にも訪れてほしいと切に願います。

 

イブキ！

また、生まれ変わり来世では愛され、長生きをし、人生を全うし、幸せだったと感じることができますように...

心の整理がつかず、なかなかご報告ができず、大変申し訳ありませんでした。

 

                            令和7年3月

 

生前にはイブキのためにご支援をたくさんいただき、本当に感謝しております、大変お世話になりありがとうございました🙇