地域の「手術済み猫」が糖尿病でインスリン治療スタート

神田地区で１５年くらい前に不妊手術を行い、近隣の人たちから食べ物をもらって暮らしてきた「耳先カットあり」の黒白猫ノラクウロさんが２月初旬に動かなくなっているのが見つかり、近くに住む当会ボランティアのＩさんが保護して、動物病院に搬送しました。診断によれば糖尿病。１０日間入院して治療を受けました。

問題は、退院後、朝晩インスリン注射を打たなければならなくなったこと。譲渡をめざすことはきわめて難しく、Ｉさんが家に入れて最期までケアしようということになりました。ところが、２０年前にちよだニャンとなる会が発足した当時はバリバリ活動していたボランティアのＩさんも現在は８０歳超え。都内に居住するＩさんの娘一家（当会からの保護猫２頭と同居）は「高齢の母が朝晩インスリン注射を打ってのケアを続けられるのか」と心配になったのです。それでも、検査データの数値がかなり悪く、余命は長くないと見られていることから、「最期までインスリン治療を頑張る」（Ｉさん）ということになったのでした。

ノラクウロさんは、退院後、Ｉさんの家で「預かり猫」として、インスリン治療を受けつつ、穏やかな余生を過ごしています。「外にいた時は近寄ると逃げていたのに、１週間も経たないうちにくつろいで、なでられ、抱っこされていて、１０年も前からいたような落ち着きようです」（ボランティア家族）