同じ境遇を持ったパラリンピックアスリートたちを応援。

パラアスリートを応援！

 

毎年、夏になると思い出すことがあります。

 

　私は障がい者ではないですが、交通事故により、左足首には後遺症が残っています。

　それは、今から３５年ぐらいも前のことで小学生３年の夏休みの出来事。

　交通事故に遭ったのです。

　健常者ではなく、障がい者だったかもしれないお話です。

　

　幸い、命に問題は無かったのだが、左足首を引き摺られ、肉が剥がれ、くるぶしの骨を削られた。ぐちゃぐちゃになってしまいました。

　当初は、左足首を切断する手術も考えられたのですが、歩けるようになるまで、リハビリをひらすらにこなしていました。

　リハビリは苦しく、痛みも出るので本当に嫌でした。手を抜きたいということもしばしば。

　しかし、怠けていると、外科の医師に「動かさなかったら、足が腐るぞ。」本気で叱られ、怖かった記憶があります。

 

　両親は障がい者にさせたくない思いもあったことから、歩ける可能性があるなら・・・

　様々なリハビリを繰り返し、次第に足首が強化され、同時に足が速くなっていきました。

　ただ、今でも、足首には違和感があり、皮が引っ張られ、左右の足のバランスも悪く、長年、左足をかばいながら、運動していたため、筋力も弱い。

 

　でも、ランナーとして、走ってこれたのは両親や周りの方々のおかげである。

　足首を切断しないといけないような状態ではあったが、リハビリによって、回復し、歩くだけではなく、走ることも出来て、陸上競技というスポーツの限界にも挑戦……。

 

　この歳だから、感じるのは速くなりたいとか１位になりたいという目標ではなく、いかに自身のパフォーマンスを極限に持っていくかが大切なのかぁと思います。

　なので、私自身も最高のパフォーマンスを目標に今は取り組んでいます。

　誰がどれだけ速く走ったとかを気にするのではなく、自分をしっかり中心に置いて、より高いパフォーマンスをどう出していくかが出来れば良いのかなと思っています。

 

　陸上競技の一番の醍醐味は、自分の記録を超えていくところ。見ている側からすれば、勝つか負けるかだと思うのですが、やっている側からみると、過去の自分に勝つ、自分が進化していることが醍醐味。だから私自身は、出来る範囲の自身の最高のパフォーマンスができれば幸せかなと思っています。

 

　私は障がい者ではなく、健常者として、陸上競技に取組んでいましたが、もし、小学生の頃に、リハビリを諦め、足を切断をしていたら、障がい者ランナーだったかもしれません。

　このパラリンピックを機会に、障がい者の取り巻く環境が大きく変化し、すごく生活が豊かになったと言われるような世界になってもらえたらと思います。

　だから、私達の連盟の出来る範囲で、障がいを持つ子供達や障害を持つ選手を少しでもサポートができるのではないかと考えています。走ることができるよと伝えたい。

　環境や金銭的な部分が課題になってくると思いますが、自治体等と組んで、義足になった子供達に競技用義足を貸したり、パラアスリートを派遣してもらい、走るレクチャーをしてもらえるのではないか。

　義足で走るようになると体力もつくし、生活の水準も上がり、世界観が劇的に変わるのではないかと考えます。

　

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