【CACI物語：保護犬 ⑧「たっくん」】

 

たっくん、一人暮らしの飼い主さんが亡くなり、取り残されていました。

賃貸だったため、大家さんから明け渡しの勧告を受けた親戚の方から

CACIに相談が入ったのです。

 

何の犬種か即答するのに躊躇する容姿ですが、「セッター」です。

 

 

一人暮らしの飼い主さん、60才を過ぎた頃、埼玉県動物愛護センターより

たっくん、そして子猫を2頭、譲り受けました。

そして、誰にも何も託さないまま、旅立ちました。

 

私は「たっくん」に会いに行き、そのまま一緒に自宅へ戻りました。

 

自分の身に起きたことが理解できず、大音量の吠えと興奮。

今まで自由気ままに暮らし、また太りすぎから

ケージに入ることができませんでした。

 

 

甘ったれで、すぐにお腹をだしてゴロンとしますが

ご飯を見ると、一気に豹変します。

取られてなるものか！、あまりの殺気に身の危険を感じるほど。

フードの器と音には、とても敏感です。

https://youtu.be/Y8uQ6f9FrRY

 

散歩に行き、他の犬に会うと、ハンドラーアグレッシブの凄いこと。

自宅で世話をしていましたが、

フードガードがあまりにも強いこと、

分離不安もあるため

石田愛犬訓練所に託すことになりました。

CACIが保護した犬で、深刻な問題行動のある犬は

シェルターでの管理は難しいため、

プロの訓練士さんに託します。

石田先生はとても信頼のおける方です。

 

https://www.ishidaaiken.com/

@ishidaaiken　 Instagram

 

しばらくして石田先生から足が痛いのでは？と連絡があり、

すぐさま来院すると

関節炎と馬尾症候群が判明し、関節炎の治療を開始しました。

涙腺詰まりも酷いので治療が必要です。

 

 

とても痛いのに、体重約40kg。

23～24kgが適正体重です。

オーバーウェイトによるダイエットと治療

石田先生のおかげで

保護当時に比べ、かなり痩せました。

 

それでも「たっくん」は、家庭犬として暮らせる子です。

咬み犬ではありません。飼う人の心次第です。

 

しかし部屋の中を自由にさせ、

ソファーの傍らに座らせるタイプではありません。

 

飼い主がしっかり指示を出すことで

「たっくん」は落ち着き、従います。

可愛がる=甘やかすは異なります。

 

 

一途で飼い主オンリーな性格。

それだけ従順であり忠誠心が強いのです。

人は大好きで、誰にでもくっつきます

 

都会より田舎暮らし。

吠えても問題ない地域がベストです。

（慣れるまでに「吠え」が出てしまう可能性があります。）

 

車移動のケージ、バリケンは大人しいのですが、

留守番が苦手。今後の課題ですね。

 

ご飯だけはケージ内。

フードガードを直すのは信頼がなければ簡単には直せません。

「食べている時は手を出さない」その徹底は必要です。

 

猟犬として訓練を受けた犬との誤った暮らし方。

それは「いきなりの自由」です。

この子達は小さいときから

指示を待ち、指示のもと動いてきました。

 

指示のない生活は不安を掻きたてるのです。

「何をすればいいの？」と。

 

 

猟犬は死ぬまで猟犬であり本能は消すことはできません。

メリハリのある暮らしをしながら徐々に家庭犬へと

導く必要があります。

 

フードガードを直すには飼う人が対応しないと難しいため、

訓練所から里親募集をしています。

たっくんに、素敵な家族が現れますように！

ダイエット、がんばろうね。