【CACI物語：卒業犬 ㉒「ホーリー、ソフィ」】

私の趣味はクロスステッチです。

一針一針、丁寧に刺していると無心の境地に陥り、心が安らぎます。

 以前イングリッシュ・セッターの刺繍（デンマーク EVA ROSENSTAND製品）をしました。その犬がとても愛らしく、こんな犬と一緒に毎日暮らせたら、どんなに楽しいだろうと思いを馳せていました。

 そして、CACIのHPで「ホーリー」を見つけたのです。

「毛ははげて、かなりの脂漏性と疥癬です。痩せすぎでアバラが浮き、ガリガリです。でもよく食べます」とのコメントが添えられていました。

直ぐにシェルターへ会いに行くと、まるで、待っていたかの様に身を投げ出して甘えてくるのです。2009年3月30日、我が家に迎え入れました。

その後、CACIに保護されている保護犬も気になり、毎日更新される保護犬の様子に涙が止まりませんでした。我が家にもできることはないかと考え「預かりボランティア」を申し出ました。そうしてやってきたのが「ソフィー」イケイケ女子にホーリーもたじたじ。その後、「ソフィー」も家族となりました。

鳥猟犬は「道具」として「役に立たない」と遺棄されています。

猟には役に立たなくなったのかもしれません。しかし鳥猟犬は「銃」と同じ物ではなく、感情ある生あるものです。

そして彼らはバリバリの元猟犬。町中の散歩だけでは、ホーリーもソフィーも飽き足りません。

彼らの満ち足りた表情が見たくて、月に何度もフィールドや海に出かけていきました。おかげで犬達と自然の中で過ごす楽しさを知りました。

 

また、彼らを通して、たくさんの新しい友人も増えました。

 ▲保護犬のセッターemmaのママ「Kumi Tsuyuki」さんの作品。一点一点手作りのとても素敵な品です。（横須賀市）

 

CACI卒業犬コルク君と一緒にFT（フィールド・トライアル）の世界を垣間見ることができました。

そしてハンターの方達が相棒の犬を、それは大切に慈しみ、共に息を合わせ、訓練に励んでいるのを見ることができました。

何も知らない私達をFTに誘って下さり、ホーリーとハチャメチャながら富士山の競技会にも出して下さったのは、本当に楽しい良い思い出です。

 

ソフィーは三年後、癌でお空に旅立ちました。

ホーリーは今も元気で甘々君です。

CACIの活動は、どんな境遇の犬でもその命と個性に真摯に向き合い、尊重する素晴らしい活動だと思います。

グラウンドファンディングによって、これからも活動が継続出来ますように。

そしていつかは、遺棄される犬達がいなくなる事を祈っています。