
寄付総額
目標金額 4,500,000円
- 寄付者
- 180人
- 募集終了日
- 2023年7月9日
訪問看護での緩和ケア
アウトリーチの訪問目的は様々で、その中の一つが緩和ケアを自宅で行うケースです。悪性の疾患や進行性の難病のために治療方法がない、または経済的理由により治療を受けることができず自宅で終末期を迎える患者さんに対して、痛みをはじめとする様々な苦痛の緩和のためにご家族と一緒に取り組みます。
今日は、Nee Thongちゃんという女の子のケースをお話をしたいと思います。
左の膝に痛みを感じ、ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)を来院したNeeちゃん。様々な検査の結果、左大腿部の悪性腫瘍で、来院した時にはすでに治療法はなく、首都のビエンチャンへ行って専門医に相談することも可能であるとご家族に伝えました。
専門性の高い疾患に関してはビエンチャンの病院へ転送するのですが、転送後はその多くが自費での診療・治療となるため、その金額によっては家族が支払える限度を超えていることがあります。Neeちゃんのご家族は悩み、すぐにその費用を捻出することが難しかったため、何とか工面してみようということで自宅へ帰っていきました。
しかし、Neeちゃんの病状の進行は予想以上に早く、退院して1か月を迎えたときには左の足は腫れ、痛みは増強し、転移と思われる症状も出現しはじめ、誰が見ても終末期を迎えていることが分かる状況でした。そこで、症状に対する緩和、痛みの緩和、心の緩和を訪問看護で提供できるよう方針を変更することにしました。
Neeちゃんの自宅は病院から車で7~8時間かかる山の上にありました。道路事情なども影響し訪問看護が実現できたのは、2か月後。その間は電話で症状を把握し、対応を行っていました。
Neeちゃんの村に着いたのは、夕暮れ時。伝統医療の儀式を行った後だったこともあり、家族や村人たちが彼女を取り囲んでいました。苦しそうな状況でありながらも、とてもあたたかい雰囲気でした。しかし、彼女の状況は明らかに最後のステージであることが誰にも分かるものであり、彼女自身も分かっていたのではないかと思います。
Neeちゃんは、全身の痛みが一番つらいこと、足に当てているガーゼがすぐに汚れてしまうのがとても嫌なこと、早くお友達と一緒にまた学校へ行きたいこと、食べたいものはリンゴにオレンジに豆乳、そして、細身で裾が広がったジーパンをはきたいと思っていることを苦しい呼吸をしながらもお茶目な表情で話してくれました。
そばにはお父さんがいて、濡らしたタオルで発熱のある身体を拭き、お母さんがその後ろから少し不安そうに控えていました。
Neeちゃんの看護を終え、家から少し離れたところで、お父さんに彼女の今の状況と今後の予測を伝えました。お父さんは普段からとても明るい性格なのですが、たった5か月で元気だった我が子が今のような状況になることに気持ちが追いつかない様子でした。できる限りのことをしてあげるくらいしかできないことに、無力を感じました。
翌朝、食べたいと言っていたリンゴやオレンジ、豆乳、そして、治ったら着たいと言っていた細身のジーパンを購入してお父さんへ渡しました。これからの緩和ケアで何ができるだろうかと考えながら、ルアンパバーンへの帰路につきました。
お父さんからNeeちゃんが息を引き取ったという連絡が入ったのは、その2日後でした。訪問時に持って行ったノートとカラーペンを使い、亡くなる前に「ちょうちょの物語」を書き(描き)残していたので見に来てほしいとのことでした。
緩和ケアの一環でもある死後の家族訪問を1か月後に実施し、Neeちゃんが残した物語を見せていただきました。実は、お父さんとお母さんは文字を読むことができなかったので、この物語の意味を知ったのは私たちが訪問に伺った時でした。亡くなる直前の彼女が何を思っていたのか本当のところは誰にも分かりませんが、特別に心の奥深くに響くものがありました。
Neeちゃんの緩和ケアに関わった訪問看護のスタッフは、病院内スタッフへ緩和ケアについての症例発表をする時にこの症例を取り上げました。胸にこみ上げるものが溢れてしまい、涙がとまらない状況でした。
緩和ケアについて知らなかったスタッフが、患者さんが亡くなったら緩和ケアが終わるわけではないことを知り、少しずつこうした経験を通して患者さんと家族と向き合えるように成長するのだと思います。

最後に、Neeちゃんが残した物語をここでご紹介したいと思います。

ギフト
3,000円+システム利用料

3000円プラン
・ラオスからの感謝のフォトレター
・活動報告書
・領収証
・フレンズの活動がわかるメールニュースのお届け
・寄付者限定イベントへのご招待(2023年8月開催予定。ご案内をクラウドファンディング終了後に別途お送りします。)
※いただいたご寄付はアウトリーチにかかる費用として大切に活用させていただきます。
※リターン送付先にご記入いただいたお名前が領収証の宛名となります。
- 申込数
- 74
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年12月
10,000円+システム利用料

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