来年3月に計画中のフィジカルシアター公演予告！

本プロジェクトのリターンにも入っている、ファリダさんの原書「Silent Streams」をベースにした、プロダクションハンとノルウェーチームの合同舞台公演「HI no HO vol.2 」についてご紹介いたします。　来年3月29日（日）愛知芸術劇場小ホールで開催されます。

その前に、出演される超ユニークなグループの紹介。まずはプロダクションハン。長年舞台制作に携わってきたメンバーと、畑を持つ仲間が集まり、2016年創立。創作活動の持つ力と、食の持つ力を合わせ、社会貢献に取り組んでいます（！？）。次いで、CAKRA Dance Companyは2000年結成。ストリートダンスと芸術舞踊を融合させて国内外の様々なカルチャーに対し、共感、感動できる空間創造を目指し、唯一無二の世界観を表現し続けています（？）。そしてNordic Black Theatre。1992年ノルウェーオスロで創立、長年にわたり青少年育成プログラムを演劇を通して精力的に行っています。メンバーの殆どは、各地からノルウェーに流れてきた移民・難民の若者達です。

そもそも2016年に名古屋で行われた国際移民会議の会場でハンのパフォーマンスが終わった後に、「Silent Screams」の本を握りしめて駆け寄ってきたのがファリダさんでした。「あなたたちの方向は、私の本に書かれていることと通じている。ぜひ、私の本を舞台化してノルウェーで公演してほしい」　が彼女の第一声。本の内容を聞き、「日本で育った私たちに何ができるのか…」　そんな思いにかられて　「考えさせてほしい」　とだけ告げてその場は別れました。その後ずっと考えて　「Silent Screams」 をハンのメンバー全員で読み通し、自分たちなりの答えを見つけ、ノルウェーにいるファリダさんに会いに行きました。この本を熟読し、また、ファリダさんをはじめいろんな方から真実を聞くことにより、明らかに違った考えや目線に立つことができました。

2018年7月にハンとCAKRA Dance Companyが「HI no HO vol.１」の名古屋公演を行い、9月には日本メンバーがノルウェーに渡り、オスロでNordic Black Theatreの若者たちと同じ公演を行いました。ちなみに、HI no HOとは「ひのほう」、漢字で書くと「陽の方」です。陽の当たる方へ向かって進んでいきたい、一歩ずつでも進んでいくのだという想いの込められたタイトルです。作品ジャンルは、言うならば「フィジカルシアター」です。身体表現でテーマやメッセージを表す、と言ったところでしょうか。そこにある真実を知り、何気ない日常を見つめなおすことをテーマに繰り広げられる身体表現の世界なのです。

昨年のオスロ公演の後、ファリダさんから、次回の公演はある質問をもとに作ってはと投げかけられました。それは「世界が平和になるためには、どうしたら良いと思いますか？」。　今、HI no HO vol.2のリハーサルが始まったところで、ファリダさんの質問を頭に置きつつ、いろんな可能性を考えながら創作を始めているところです。作品は約１時間ほどのものとなる予定です。今の世の中を表すようなシーン、現代の私たち自身を見つめるシーン、などが身体表現で繰り広げられると思います。ダンスの要素も、演劇の要素も、またパペットなども含まれるかもしれません。ミュージシャンも参加してくれるはずです。ジャンル分けすること自体が難しいかと思われます。今回は、本作品に加えて、ノルウェーのメンバーたちが独自に作った２０分ほどの小作品も休憩を挟んで披露されます。彼らの愛に溢れたパフォーマンスもお楽しみください。勿論、ファリダさんも来られます。皆様のご来場をお待ちしています。きっと楽しんでいただけると思っています！

2018年の公演の後、ファリダさんを囲んで話し合った時の写真です。