応援メッセージリレー　#1

 

■個人ボランティアの限界

 

別府市亀川某所に猫が大繁殖している場所があります。

この地区に入り、地域猫活動を始めて一年以上が経ちました。

 

少数の個人ボランティアだけで始めたTNR(捕獲・不妊手術・元の場所へ返す活動)

去年の今頃は大半のメス猫が妊娠していて、数頭避妊手術をしたところで焼け石に水状態でした。

 

春になり、手術出来なかったメス猫から次々に仔猫が産まれ、一体どの位いるのか全く検討も付かず、かといって保護する場所も人手も時間もなく、風邪を引いてくしゃみ鼻水や目を真っ赤にした仔猫たちが居ても、その場で風邪薬をあげるのが精一杯でした。

 

猫を捕獲して避妊去勢手術を行いながら、餌やりさんへの啓発や周辺の管理清掃などを行う「地域猫活動」と、仔猫を保護してお世話しながら里親探しをする「保護猫活動」は、仕事や主婦業等の傍ら両立する事はとても難しいです。とにかくこれ以上増やしたくないと、まずは成猫を不妊手術する事に集中して、仔猫も現場で見守り、成長したら手術するしかない状態でした。

 

捕獲した猫の手術前後の一時的な預りに加え、風邪の症状の酷い仔猫や、怪我をした猫の病院の送迎や静養で家に連れて帰る事もありますが、家猫のストレスや感染等のリスクを抱えながらも、一時的に1頭か2頭を預かるのが精一杯です。

 

現地は広く頭数が多い為目も行き届かず、秋生まれの仔猫は冬の寒さに耐えられなかったのか、ボランティアさんが救助して手を尽くしてくれましたが、回復せず生き延びられなかった子もいます。また、カラスに襲われたり、事故に遭って亡くなった子も何頭もいて、外で生きる猫の過酷さを目の当たりにして、守ってあげられないあまりの無力さに、幾度となく悔し涙を流しながら穴を掘って亡骸を埋めた事もあります。

 

知り合いのボランティアさんや新玉旅館の女将さんにすがりたくてもそれは出来ません。

何故なら、ボランティアさんも女将さんも皆、同じような境遇に直面していて保護猫をもっと沢山抱えている為、これ以上負担をかけられないからです。

 

先が見えない不安と個人ボランティアの限界を知り、この1年で何度も泣いて何度も挫けそうになり、心が荒んでいくのがわかりました。その度に、ボランティア同士励まし合い支え合い今に至ります。

 

たとえ不妊手術が終わっても、今後増やさないというだけで、外で生きる子達には何の命の保証もありません。寒さや暑さ、寄生虫や事故や病気や怪我…

 

この子達を産まれてすぐ安全な場所に保護出来ていれば、どんなに沢山の子を救えただろうか…優しい里親さんに繋げて幸せに暮らせたら、どれだけ報われただろうか…と、いつもその事ばかり考えています。

 

猫を保護する場所、人手、時間、労力、お金。

猫を救うには沢山の課題があります。地域猫、保護猫活動を行っているボランティア皆が抱える問題です。

 

そんな願いを叶えられる今回のプロジェクトは、過酷な現場を経験した私にとっても、一人でも多くの方に力を貸してほしいと、切に願わずにはいられません。

 

 

別府市地域猫ボランティア

浅井 りか